Electronics

2011.09.20

ExtraCore(Arduino互換ボード)

Text by kanai

Open Hardware Summitで話題になるであろうものに、Arduino互換ボードの最新機種が考えられる。新機能を追加したものもあれば、単純なクローンもある。オープンソースハードウェアは、Arduinoのようなプロジェクトの上に何かを追加して、それを商売にできる。だから、ほとんどすべてのArduino互換ボードは、Arduinoと同じ条件(商業利用が自由という)で販売されている。オープンソースの恩恵を受けたものは、その返礼をするというのが慣例になっている。Arduino互換ボードを、Arduinoとは異なるライセンスで発売したとしたら、そんなものは受け入れられないだろうし、コミュニティに無視されるだろう。反対に、Arduinoと同じライセンスで提供することで、そのArduino互換ボードは大きな利益を得ることになり、さらにその派生商品に恩恵を与えることになる。というわけで、Arduino互換のExtraCoreを温かく迎えよう。
Dustinの記事より…

このプロジェクトを始めたとき、どうして非商用ライセンスで出すのかと、多くの人に聞かれました。率直に言えば、リスクを分散させて、オープンな選択肢を持っていたかったからです。それだけのことです。ここに、私の好きな言葉を引用します。
「船を作りたければ、大勢の人を呼び集めて木を集めさせたり、仕事を割り振ったりしてはいけない。無限の大海原に憧れる気持ちを教え込むのだ」 – アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ
私は海に憧れています。もちろんメタファーとしての海ですが。私の海には、あらゆるものを作る方法や意味を知っている、ものすごく多くの人たちがいます。インターネットを使えば、自分のうちでも隣のうちでも、設計図をプリントアウトできます。まったく機能しない知的所有権など、簡単に回避できます。やり遂げようという決意さえ持てば、かならず実現すると私は信じています。私たちは次なる黄金時代の先駆者なのです。みんなで、すべての人のための、物作りの低価格なツールを持ち寄り、子供たちの、科学や工学やプログラミングを学び愛する心、物作りを愛する気持ちを育てるのです。今は暗い時代なので、リスクを分散して選択肢をオープンにしておきたいと考えがちです。腕のいいギャンブラーはリスクを分散しません。もし、あなたに時代を切り拓く気概があれば、賭けに出るべきです。そうでない人は立ち去るべきです。
そして、これが私の賭けです。私はMakerに賭けました。このプロジェクトと、自分自身に賭けました。今のところ、このプロジェクトはクリエイティブ・コモンズ 表示 3.0 非移植(CC BY 3.0)ライセンスで提供されています。自分たちは世界を変えられると、私は心底信じています。

ExtraCore (Arduino Compatible) An Open Hardware project in Duvall, WA by Dustin Andrews @ Kickstarter
訳者から:現在、Kickstarterで出資金が目標を超えたところ。大まかなスペックは、高さ25.4mm、幅22mm、重さ1.7g、AVCCにローパスフィルタ、ブレッドボード対応、Pro Mini用の5V FTDIが使用可能、Atmegaのデジタルおよびアナログピンはすべてボード周辺に順番に配置。電源関連は非常にシンプルでレギュレータなどは付いていない。なるべく安くして、プロジェクトに埋め込んでしまっても「惜しくない」ものにしたいと本人は語っています。
– Phillip Torrone
原文