20世紀終盤からの遺伝子工学や分子生物学の進歩と普及によって、生命に関する今日的なテクノロジを援用した芸術表現が盛んになりました。それらは一般にバイオ(ロジカル/テクノロジ)・アートと呼ばれ、前衛的なファイン・アートや現代美術のある種の延長として、あるいはアート&サイエンス、アート&テクノロジーの一形態として、メディア・アートとも密接な関係を持ちながら発展してきました。
生命を構成する細胞は、タンパク質を始めとする物質(アトム)でできているにもかかわらず、そこには遺伝子(DNA)というデジタル情報が含まれ、それが分裂、複製、交換することでリミックス、ミューテーションしていきます。物質としてのハードウェアや情報というソフトウェアから、細胞や生物というウェットウェアへ、という大きなメディアの流れの中で、バイオメディアにも近年キッチン・バイオと呼ばれるDIY化の波も訪れ始めました。
その状況は、急速にパーソナル化が進むことで技術と芸術が交錯したリベラルな文化を生み出した、1970~80年代のマイクロ・コンピュータやコンピュータアートの誕生時に、自然と重なり合ってきます。
[出品作家]
秋山慶太、アリ・アルムタワ、石橋友也、伊藤達哉、岩崎秀雄+オロン・カッツ、齋藤帆奈、多摩美畑部、ホアン・カストロ、三原聡一郎、山本渉、高橋士郎(特別参加)
2013年2月23日(土)~3月24日(日)
12:00~19:00(金・土は20:00まで)火曜休
会場:3331 Arts Chiyoda 201・202
明日、2月23日(土)の17:00~19:00に、オープニング・シンポジウム&レセプション「バイオメディアと芸術」が行われます。その他、詳しい情報は、アキバタマビ21 | akibatamabi21|exhibitionにてご確認ください。