Electronics

2016.08.15

VR体験をさらにリアルにする自作可能な5つの装置

Text by Lisa Martin
Translated by kanai

VR体験というものは、頭を回して周囲を見てコントローラーのジョイスティックを押すというだけのものではない。MakerたちもVR開発会社も、同じようにすでに仮想世界が終わるところと現実が始まるところの境界を押し広げている。温度変化、クリエイティブコントローラー、風、体の動作などだ。ここに、応用できそうなアイデアを紹介しよう。

既存の製品をハックしてフルボディコントローラーを作る

Eward HageとKevin Derksenは、本物のパラシュートのハーネスを、彼らが開発したパラシュートシミュレーターに採り入れた。完成した装置は、Para Parachuteと命名された。ウィンチを使ってプレイヤーを吊るし、水平な位置から始まり、ゲームの中でパラシュートが開くと体が縦になる。頭にはOculus Riftを装着した状態で足が地面から離れる。その感覚はじつにリアル。これは、アイテムをハックして、適切なセンサーを使ってコントローラーに作り変え、プレイヤーの体を完全に動かすという、ひとつの実例だ。

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または、フルボディコントローラーを最初から作る

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スイス芸術大学のインタラクティブチームは、鳥が街の中を飛び回る感じを体験したいと考え、Birdlyを開発した。これの特別なところは、コントローラーでありながらフィードバックも返すモーションプラットフォームであることだ。これに乗ると、両側に張り出した翼を羽ばたいたり捻ったりしてスピードや方向を調整しながら、シミュレートされた都会の中を飛び回ることができる。その飛行に合わせて、顔の前の扇風機から風が吹き付けられたり、台が上下したり傾いたりする。全身を使って飛行するのだ。まるで鳥になった気分だ。

空気と温度の効果を採り入れる

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お化け屋敷では、昔から圧搾空気を使って人を驚かせてきた。それと同じ効果をVRゲームに取り入れれば、弾丸がかすめていった様子や、爆発などの再現ができる。今年のGame Developer Conferenceでは、Whirlwind VRが開発したVortxが展示されていた。これは、風だけでなく熱の効果もあるので、焚き火やドラゴンが吐く炎も再現できる。

触覚トランデューサーで震えさせる

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もっとパンチを効かせたかったら、椅子に「触覚トランスデューサー」(ベースシェイカー)を取り付けたらどうだろう。これは、低周波の振動を取り付けた相手に伝えるというもの。そのものを買うこともできるが、サブウーファーをハックして作ることも可能だ(YouTubeにはその改造方法のチュートリアルビデオがたくさんあるが、飛び抜けてよいものひとつを選ぶことができない)。この効果を最大限に引き出すためには、トランスデューサーを椅子のなかの面積がいちばん大きな、中心的な板に取り付けることだ。立ってプレイするゲームの場合は、簡単な台を作って、そこに取り付ける。

歩き回れる動くプラットフォームを作る

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Infinadeck、Virtusphere(上の写真)、CyberWalkといったシステムは、VR環境で実際に歩けるようにするプラットフォームだ。基本的な原理は簡単だ。ある方向に歩くと、足の下のプラットフォームがその反対の方向に動く。ランニングマシンと同じだ。いろいろな方向に歩けるようにするには、創造力が必要だ。今のところ、X方向とY方向に進めるベルトコンベアー式のシステムと、ハムスターのボールをでかくしたようなシステムがある。まだパーフェクトなシステムはない。プラットフォームから落っこちないようにするのが、考えどころだ。

原文