カスタムドローンのコミュニティでは、フォーミー(Foamies)と呼ばれるスタイロフォームを使ったボディの改造が流行っている。軽量なボディを作って、ドローンにかぶせてかっこよく見せるのだ。想像上のワンメイクの航空機から、スター・ウォーズに登場する宇宙船まで、さまざまなものがある。
自分でフォーミーを作るためには、スタイロフォームの切断、接着、仕上げなどの技術を知っていなければならない。そこで、ドローン愛好家だけでなく、あらゆるスタイロフォーム工作に利用できる基本の技術を紹介しよう。
フォームの選択
ホームセンターなどに行くと、2種類のフォームがあることがわかる。押出発泡ポリスチレンと発泡ポリスチレンだ。
発泡ポリスチレンは、小さな粒々で構成されているので一目で見分けがつく。こちらは軽量だが、工作、とくに仕上げが難しい。なので、私は押出発泡ポリスチレンを使っている。
押出発泡ポリスチレンは、通常はピンクまたは青い色をしていて、大きなシートで売られている。切断が容易で、サンドペーパーをかけたり、色を塗ったりもできる。少し重いのだが、家ではこちらのほうがずっと扱いやすい。
切断の成形
どんなタイプのボディーでも、フォームを切り出すところから始めなければならない。たとえば、青い押出発泡ポリスチレンの断熱材の場合は、どんな刃物でもうまく切れる。刃を貫通させなくても、切れ目を入れて折るという方法もある。
大量にフォームを切りたいとき、または発泡ポリスチレンを切断したいときは、熱線カッターを使う(自分で作ることもできる)。微弱な電流で熱線を温めてフォームを滑らかに焼き切るのだ。発泡ポリスチレンの場合は、これなしには切断作業は悪夢だ。ナイフで切ると小さな粒が飛び散り、切断面もボロボロになる。
接着
多くの場合、いくつかの部品やブロックを接着する必要が出てくる。だがフォームの接着は、意外に難しい。溶剤系の接着剤は決して使わないこと。溶剤がフォームを溶かしてしまうからだ。接着剤をたらすと穴が開いてしまう。空気に触れないと乾かない接着剤も使えない。大きな面同士を接着するときなど、接着剤が乾かなくなってしまう。
Gorilla glue(ゴリラグルー)は速乾性でしっかりと接着してくれる。これは乾燥するに従って膨張するので、はみ出したらきれいに拭き取っておくことだ。数時間後、接着した線に沿って黄色い塊がぶつぶつと現れても驚かないこと。
インターネットで見つけた裏技がある。Gripperというグリデン社製の下地材を使う方法だ。これはすぐに乾き、接着剤と同じようにフォーム同士を強力にくっつけてくれる。乾燥した部分は、普通にサンドペーパーをかけたり、切断したりできる。
どの方法を使うにせよ、接着面に隙間ができないように、接着した直後はよく圧着することが大切だ。隙間があると、あとで切断したときに見えてしまう。
仕上げ
思い通りの形にフォームを成形したら、サンドペーパーで仕上げよう。押出ポリスチレンの場合は、中目のサンドペーパーで磨くと、いい仕上がりになる。最初は100番程度の粗目から始めて形を整え、だんだん目を細かくして磨いていく。
表面が滑らかになったら、見た目の美しさと、衝突したときの保護のために、上塗りをする。小道具の専門家は、この段階でBondoなどの自動車用のボディーパテを使うが、ドローンの場合は、何よりも軽さを考えないといけない。
ペン/マーカー — フォームの見た目のままで十分だと思えるときもある。何かを描き込むことで、自分だけのカスタム感を出せることもある。
塗装 — ペイントを何層にも塗り重ねることで、それほど重量を増やさずに見栄えをよくすることができる。しかし、保護の役割はあまり期待できない。乱暴な着陸で、修復できないほどの深い傷を負うこともある。
接着剤またはレジンの層 — ポリ酢酸ビニル接着剤(木工用ボンドなど)を塗った上に塗装をすると、保護膜が作れる。無敵のアーマーではないが、塗料を塗り重ねただけよりも、わずかに重くなるが、丈夫だ。その上に塗装もできる。
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