Fabrication

2017.01.11

炉がなくてもできるコールドキャスティング

Text by kanai

金属のキャスティング(鋳造)は、金属を溶けるまで熱して型の空洞に流し込むという方法をとる。この空洞の形で、作られる物の形が決まる。金属を融点まで熱することができる設備を持っているなら、これは素晴らしい製造法だ。だが、そうでない人にとってみれば、大変に面倒な作業だ。

だが幸いなことに、「コールドキャスティング」と呼ばれる技がある。Paul Braddockが下のビデオ、Mold3Dで説明しているように、透明レジンに金属の粉を混ぜて行う。この金属粉入りレジン(この場合は鉄)をシリコンラバーの型に流し込むのだ。

Braddockはロボットの頭の原型を、まずは3Dプリンターで普通に作った。それを、Pinkysilという液体で型をとった。これは20分で固まる。そこからプリントした頭を取り出し、ポリエステルレジンと鉄粉を1:1で混ぜ合わせ、型に流し込んだ。型には、あとで頭が取り出しやすいように、剥離剤のスプレーが吹き付けられている。

Braddockは、この作業には適切な防護用具が必要だと話している。

約6時間後、半金属の頭ができると、それを型から取りだした。いい出来映えだ。「ちょっと気泡が入ったが、上出来だ」と彼。しかし、まだやることがある。Braddockは頭の表面をスチールウールで擦って磨き、錆を発生させる液体を塗り、ウェザリングを施した。

その後、Braddockは再びスチールウールで頭を磨き、さらにスプーンの裏側でこすりつけて磨いた。その結果はとてもいい。完全に金属ではないが、じつに金属らしく見える。しかもこのパーツは磁石にくっつく。もし必要ならばその性質も活かせる。

別の例

cold-casting-beard

コールドキャスティングのもうひとつの例として、私がビデオで見たのは、ブロンズを使った叫ぶヒゲの男のモデルだ。(Redditより)

原文