2017.08.22
ボルテックス砲から人が乗れるホバークラフトまで、家族で楽しめる夏休み向けプロジェクト8つ
グループで工作などを行うとき、他と比べて、やけに盛り上がるグループがある。それは家族チームだ。私は、子どものころ母と家の改造をし、父とスキーにワックスを塗るといった生活を送っていた。そうした体験が、私の工具や工作に対する愛情を育てたのだと思う。今は、妻とハッカースペースを運営して、一緒にいろいろな物を作り、全国のMaker Faireに出展している。一緒に作るということで、一緒に幸せになれる。そして、退屈することなく、その良い関係を長く続けることができるのだ。
そこで、家族で楽しめるプロジェクトをいくつか紹介しよう。子どもたちは、きっとこれに影響されてMakerを目指すようになるだろう。
Makey Makey手術ゲーム
私はこれを、2016年のMaker Campのために考案した。Makey Makeyのコントローラーボードを利用している。これを使うことで、昔懐かしいOperation(手術)ゲームを再現できた。作るのは簡単だ。使う道具はハサミだけ。楽しいのは、Makeyの体から取り出す「臓器」を探すことだ。私はバネを使ったが、金属製品ならなんでも使える。おまけとして、これを作ることによって、Makey Makeyのいろいろな可能性が見えてくるのが楽しい。
所要時間:約30分
詳しい作り方はこちら(日本語版編集部から:以下、リンク先は英語記事になります。ご了承ください)。
簡単ロングスケートボード
これは、「Make:」の初代編集長、Mark Frauenfelderが考案したプロジェクトだ。スケボーが大好きな親子だったら、このプロジェクトで2日もがんばれば、歩道を走れるようになる。このプロジェクトの要は、合板を重ね合わせて、子どもだけでなく、大人の体重も支えられる強度を作り出すというところだ。
所要時間:2日
詳しい作り方はこちら。
人が乗れるホバークラフト
私はよく漫画雑誌の巻末の広告や「Boy’s Life」誌を読んで育ったのだけど、そこに載っていたホバークラフトの作り方を見て、このエアークッションに乗ってあちこち行きたいなと夢見ていた。ホバークラフトは、どんなプロジェクトよりも私の興味を惹いたのだけど、それに載って移動する夢は叶わなかった。その後、友人が、どこにでもある材料を使ってホバークラフトを製作した。それには作る楽しみもあり、私はさっそく、Maker Campのプロジェクトに採用した。2台作れば家族でレースもできる。
所要時間:2時間
詳しい作り方はこちら。
ボルテックス砲
ドカンと家族で楽しめるお馴染みのプロジェクトだ。ボルテックス砲は、バケツの底に穴を開けて、蓋の代わりにゴム紐を取り付けたビニールを貼っただけのもの。ビニールを引っ張って放すと、バケツの穴から空気の塊が発射される。これには、紙コップを吹き飛ばしたり、人の髪の毛を逆立てるほどの威力がある。電動工具を使うが、家族で交代で作業すれば、それほど大変ではない。これで撃ち合っても怪我をすることがないから安全だ。バケツの中に煙を入れてから撃つと、空気が輪になって飛んで行く様子が見られて面白い。
所要時間:約45分
詳しい作り方はこちら。
足踏みロケット
子どものころは、誰でも星に向けてロケットを打ち上げたいと夢見ただろう。少し大きくなったころ、スペースシャトル計画で私の想像力はスパークして、科学と技術に興味を持ち始めた。ロケットエンジンを使ったモデルロケットも楽しいが、安全に打ち上げられる場所を探すのは難しい。しかし、足踏みロケットなら、自分でデザインしたロケットを天高く(6〜9メートルぐらい)打ち上げることができる。それも、自宅の庭や空き地で遊べる。塩ビパイプとペットボトルで打ち上げ台が作れる。家族で空を見上げよう。
所要時間:約30分
詳しい作り方はこちら。
体でアートしよう
家族で(ご近所さんも巻き込んで)楽しめるもうひとつのプロジェクトが「どろどろアートの日」だ。これは、カリフォルニア州のエルセリト共同保育園で、2010年から毎年開かれているイベントだ。教室にも園庭にも、さまざまな体験型アートコーナーを設けて、見るよりも自分で作るアートの楽しさを教えている。最大の目的は、どろどろになること。
私と妻は、小さい息子を連れて3月にこのイベントに参加したのだが、大変に興奮した。家でもやってみたいアイデアをたくさん持ち帰ることができた。中でも気に入った活動を紹介しよう。
人間回転アート:園庭のタイヤのブランコを利用した人間振り子アートだ。絵の具を入れたボトルを手に持った子どもがタイヤの上に腹ばいに乗っかる。それを押してもらうと、下に敷いた紙に大きな輪のアートが描かれる。
風のトンネル:扇風機にダンボールの筒をテープで貼り付けて、上向きに置く。そうして、床から上へ向かう空気の流れを作る。扇風機は強に設定し、子どもたちにバケツ一杯の紙吹雪をばらまかせると、紙吹雪は部屋中に舞い散る。紙吹雪で部屋が散らからないように、カーテンなどで囲っておくとよいかもしれない。
シェービングクリームの山:単純だけど、とても面白い。大きなコンテナの中に、何本ものシェービングクリームを押し出して山を作る。庭用の道具を使って形を作るのも楽しい。食用着色剤を入れても面白い。
エルセリト共同保育での活動は、絵の具を染み込ませたテニスボールとか、ダンボールで作った迷路など、どれも日常的なものを利用している。普段から見慣れたものを活用することは大変に楽しく、工夫こそがメイキングの要点であるという考え方の育成につながると思う。
[原文]