2008.04.24
Make: Tokyo Meeting – かないのピックアップ "フッタウェイ"
フッタウェイ1号
サーボモーターで動くロボットはもういい! とエンジン(エンヂン)にこだわる KIMURA。非効率で危険そうで乗りにくそうで、いいことはひとつもないように見える二足歩行機械”フッタウェイ”のデモンストレーションを、取り囲む人たちは「なんだろう」という目で見入っていた。ブルルンブルルン、ガチャコンガチャコンと騒音を立てて歩く機械を、90度回転させるのに相当苦労していた。
いったい何なんだ?
屋内会場ではフッタウェイで東京中を歩き回るビデオが、これまたガチャンガチャンと危険なまでに乱暴に歩くビデオモニター”テレビジョン”に映し出されていた。
あ、そうか、これはアートなんだ!
そう思い込み、KIMURA氏に聞いてみると……
「最初はアートだと思ってやってたんだけど、ここへ来てみて、どうでもよくなりました!」とのこと。
たしかに、テクノロジーとアートが融合というか、どっちでもいい状態のMake Tokyoの会場では、テクノロジーであるかアートであるかなんて”こだわり”はないからね。
こっちもそれを聞いて、とってもうれしくなった。
イヌ型自走機「INUシリーズ edge」
KIMURA氏は、ロボットが大好きでロボットの研究を続けてきたのだが、ASIMO以降、ロボットの実用化が間近になり、ロボットの形が定まってきてしまったことに不満を感じていた。
「なんでもサーボモーターじゃないですか。それがイヤなんです」
そこであえてエンジンを選択した。電気モーターに追いやられそうになっているエンジンにはまだまだ活躍の場がある。彼はどのような条件下でも働き続けるエンジンを「技術者として尊敬している」という。
「ロボットは妖怪だと思うんです。妖怪としてとらえると、しっくりするんですよ」
KIMURA氏は、タミヤの『アクリルロボット』の生みの親、三井康亘氏と、明和電機の元社長、土佐正道氏との3人でロボットアーティストチームを結成している。そこで、「ロボット=妖怪」はロボットデザインの幅が広がるのではないかと話し合われ、”ロボット妖怪説”が誕生した。
KIMURA氏は、「アーティストとしてロボットに文化を与えなければならない」と自信のサイトで語っている。そして、モノと文化の融合を訴える。妖怪は、ロボットと文化の融合のひとつの答えのようだ。