Electronics

2009.02.17

1939年の音声合成

Text by kanai

これは、1939年の世界博覧会に出展されたVoder(Voice Operating DEmonstratoR)。ベル研究所が開発した、特定のノイズと発信音を組み合わせて人の声を合成するというものだ。Voderの操作盤の前に座ったオペレーターが、これを操って言葉を作り出す。
電子音楽のパイオニア、Wendy Carlosが、CMJ誌のインタビューに答えて詳細を解説している。

Homer Dudleyは、電子音声機、VODER(Voice Operating DEmonstratoR)も発明している。これは、1939-40年に開催されたニューヨークの世界万博で公開された(毎時刻にデモも行われた)。背の高い頑丈なラックには、甲高い音を出すオシレーター、ホワイトノイズ発生機、10個の帯域通過共鳴フィルターといった電子機器が収められている。Voderに言葉を話させるには、有能で厳しい訓練を受けたオペレーター、つまり”演奏者”が、ラックに繋がった非常に軽いタッチのキーとフットペダルからなる特殊なコントローラーを操作する必要がある。これらを使って、電子的に生成された音成分を組み合わせるわけだ。その結果、完全と言うにはほど遠いが(なにせ操作がメチャクチャ難しい!)、見せ物としては面白く、声の原理を学ぶことができる。

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Voderに関する詳細(とその他の昔のびっくりするような装置)は、Tales of Future Pastを見てね(英語)。
[via Create Digital Music
訳者から:リアルタイムで難しい操作をするぐらいなら、あのお姉さんが自分でしゃべったほうが早いわね、と言っては身も蓋もない。
– Collin Cunningham
原文