Fabrication

2009.12.10

OpenSCAD – やっと現れたフリーなCSG CAD

Text by kanai

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私が最初に3Dモデリングと出会ったのは1999年のこと。フリーウェアのクラシック、POV-Rayだ。POV-Rayの目玉は、仮想三次元シーンをプログラムすると、レイトレーシングアルゴリズムを使って、非常にゆっくりだけど、ものすごく細かいレンダリング静止画像を作ってくれたこと(というか今でもあるけど)。3Dプリンターやその他のコンピューター製造技術には対応していないけど、POV-Rayのクールなところは、少なくともネイティブな実装においては、GUIでもWYSIWYGでもないことだ。POV-Rayでモデリングするには、テキストエディターでオブジェクトをプログラムしなければならない。この方法は、“constructive solid geometry”(CSG)と呼ばれている。複雑な形状も、立方体や円や角柱などのプリミティブ形状を、和、差、積といった演算で作り上げていく。すべては、POV-Ray環境のネイティブなプログラミング言語で行われる。形状を見るには、レンダリングしなければならない。
それからほぼ10年。手早くプロトタイプを作ろうと最新の3Dモデリングソフトと格闘し始めたとき、POV-Rayで培ったCSGのスキルがぜんぜん役に立たないことを知って悲しかった。すべては、リソース食いのWYSIWYGインターフェースで、それはそれでスゴイことなんだけど、モデリング環境の三次元空間の中を動き回るだけでも、学習曲線がものすごく急なのだ。思い通りに場所を指定することすら難しく、狙った位置に正確に物を置けなかったりする。個人的なプロジェクトを2つ3つこなして、私はいくつかのツールを使って、POV-RayでデザインしたオブジェクトをSTLファイルに変換する方法を捻り出したが、とても不安定でうまくない。
そんな私は、今朝、このThingiverse Blogの記事(英語)を読んで興奮した。OpenSCAD出現という記事だ。POV-Rayがレイトレーシングにしていたことを、3D CADにするというのだ。ついに、3D CADモデルを、実際に彫り出すことなく、プログラムで作れるようになったのだ。しかもタダだ! 私は、早くこいつを試したくてウズウズしている。
– Sean Michael Ragan
原文