2010.02.25
今年もまた相変わらずのToy Fair
今年もまた相変わらずのToy Fairのようだ。ある人に、腹が立たないかと聞かれたので、ボクなりの考えを書きます。(日本語版編注:Toy Fairとは、ニューヨークで開催されるNYC Toy Fairのこと。過去、英語版ではかなりのボリュームで紹介しています)
今年はToy Fairには行かなかったけど、この話は気になる(べつに驚きはしないが)。もっと若かったら、たぶんかなり不愉快に思っただろうけど、実際はそうでもない。Toy Fairに出展されているオモチャの中には、ボクが開発に関わった、あるいは協力したプロジェクトを “元にしている” ものもある。
だけど、その原型を開発した人間のクレジットが正しく表示されていないという問題が起これば、ボクはクレジットを表示するよう訴える活動に協力したい(たとえば去年のBristlebot事件では、ScholasticとKlutzはきちっと対応してくれた)。ボクたちに弁護士は必要ない。強力なコミュニティーがあるからね。企業が法を守らなければ、いろいろな方法で対処できる。たとえば、DIYコミュニティーが大きく成長すれば、彼らのアイデアは商業ベンチャーに流れ出すし、逆にアイデアが入ってくることもある。ボクは個人的には法律闘争は望まない。それだったら、新しいアイデアを考えるよ。理想的にはね 🙂 Makerのプロジェクトには他人のアイデアを元にしているものが多い。本当のオリジナルのアイデアが特定できないものもある。クリエイティブ・コモンズ、特許、商標、著作権といったシステムを利用することもできるが、完全じゃない。それより作り続けていたほうが幸せだ。
自分のプロジェクトが “パクられる” ことはよくある。ボクはそれを、自分の作品が良い物として認められた証拠だと思うようにしている。これはあくまでボク自身の考えで、みんなに強要するものじゃない。いつ考えが変わるとも限らないし。ボクたちは、みんなスゴイことをしているんだ。大きなムーブメントの先導役でもある。ホビイストや作る人や買う人や楽しむ人たちをも含むこのコミュニティーは、みんなに利益をもたらしてくれる。もちろん、Maker仲間になろうとしない、または原作者に敬意を払わないオモチャメーカーにアイデアが盗られることもあるだろうが、それが現実だ。いわゆる有名税ってやつだ。ボクたちにできるのは、最高の価値やサービスをお客さんに提供することだけだ。それなら商品化も模倣もできない。さらにボクたちは、Maker Faire、Maker Shed、Maker’s Marketなどの場や、EMSL、adafruit、Sparkfunといった企業を通して、人々と優れたMakerを引き合わせるための、より一層の努力をしていこうと思う。– PT
みんなは、どう思う?
– Phillip Torrone
訳者から:写真のツイッターには「Toy Fairに出展された “斬新でユニーク” なオモチャのほとんどが、この数年間にMakeやInstructablesのページで私が見てきたもののマネ!」と書かれています。
[原文]