2011年8月21日に日本科学未来館の常設展示が一部リニューアルされました。そのうちのひとつ、空間情報科学をテーマにした新しい展示が『アナグラのうた~消えた博士と残された装置』。20基のレーザセンサと24基のプロジェクタにより、150平方メートルの空間全体がひとつのインタラクティブな装置となっています。体験者の動きはリアルタイムにトラッキングされ、行動が映像と「うた」になって空間に反映されます。ユーザーインタフェイス(UI)の新しい形を提案する試みといえるでしょう。
この展示を見ながら思い出したのが、Make日本語版 vol.10の記事『eスポーツグラウンドを作る』のために取材したエウレカコンピュータの戸田スタジオの風景。廃工場を改造して新しい全身型UIのゲームを作っていました。アナグラのうたにはエウレカのシステムが使われていて、筆者が見たところ、プロジェクタを使った空間演出に、eスポーツグラウンドの成果が活用されている模様。廃工場から脱皮してきた彼らの技術が、多くの人の視線を集めている様を見て、感慨深いものがありました。