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2012.06.25

Makey Awards 2012 ノミネート01:アルトイズ缶 ─ もっともハックしやすいガジェット

Text by kanai



今年も、2012 MAKE Magazine Industry Maker Awards(企業Maker賞)の候補が集まり始めた。なかでも驚いたのは、数人から推薦されたアルトイズだ。ホビーエレクトロニクスの世界で、そのミント缶は、プロジェクトボックスとしてひとつの分野を確立しているからだ。最初に推薦を受けたときは洒落だと思って笑っていたが、2つめの推薦からは真剣に受け止めるようになった。考えてみれば当然だ。MintyBoostだって、MakeのMintronicsシリーズだって、あのどこでも売っているアルトイズの缶があってこその存在だ。
アルトイズの缶に入ってくる紙に書かれている「アルトイズの物語」を紹介しよう。

アルトイズ(Altoids)、やみつきになると世に知られた元祖ストロングミントは、ジョージ三世が統治する19世紀末のイギリスで生まれました。ロンドンの小さな会社Smith & Co. (1780年設立)が、最初の「やみつきになるストロング」なレシピを開発し、後にそれが、1837年に設立されたイギリスの大手菓子メーカー、Callard & Bowserに引き継がれました。
アルトイズのペパーミントは、特別な製法により通常のものよりも数倍強くなるよう精製されています。このやみつきになる強さは、19世紀末にSmith & Co.が作り上げたオリジナルのレシピに書かれていた本物のペパーミントオイルを大切に使った結果として生まれたものです。
現在、アルトイズには、ペパーミント、ウィンターグリーン、スペアミント、リコリス、シナモン、ジンジャー、クレム・ドゥ・メンテといったバリエーションがありますが、すべては200年以上も前に作られたオリジナルのアルトイズとまったく同じ製法で作られています。


Craig Smithのアルトイズ缶鉱石ラジオ
ハッカーおよびMakerの世界では、ミント缶は手頃で頑丈な小型プロジェクトボックスとして、または小物入れとして愛用されている。アマチュア無線では小型の低出力トランスミッタとして、音響ではアンプのケースとしても使われている。そのほかにも、ピンホールカメラ、ポケット禅庭、デスクトップ投石機、応急修理キット、ジオキャッチングの宝箱としても利用されている。じつに1001のギークな使い道があるのだ。Makerおよびハッカーの世界では、まさに象徴的な存在であり、表彰するに相応しい。
MAKE Magazine Industry Maker Awards(通称Makeys)は、MakerおよびMakerムーブメントに貢献した大手企業を1年に1回表彰しようという企画です。今から、9月29-30日にニューヨークで開かれるWorld Maker Faireまでの間に候補となる企業を紹介していきます。受賞企業はみなさんの投票で決定し、Maker Faireで開かれる豪華な授賞式(いや普通の授賞式)でMakey Awardsが贈られます。詳しくはMakeys の案内ページをご覧ください。4つのカテゴリーに関する解説や、昨年の最終候補者と受賞者のリストが掲載されています。みなさんからの推薦も受け付けています。これはあくまで、Makerを支援している、または Maker魂を持つ大手企業が対象です。こうした企業に賞を贈り、その方向性を讃えることで、私たちのコミュニティに貢献してくれる企業が増えることを願っています。
– Gareth Branwyn
原文