グリッチ(glitch):電子回路に生じるパルス状の雑音のこと。また、電子音楽やコンピュータグラフィクスなどの分野で、表現の一部として意図的に雑音を取り入れる手法を指す。
ヌケメさんが刺繍によるグリッチ作品を作り始めてそろそろ1年になる。最新の作品はMAKEロゴがテーマ。その制作風景を見せてもらった。
使用機材はブラザーの刺繍ミシン。それにWindowsパソコン上で動作する専用アプリとバイナリエディタを組み合わせてグリッチ刺繍は作られる。まず素材となるロゴをスキャンし、専用アプリでミシン用のデータフォーマットに変換する。変換したデータはバイナリエディタを使って編集。長時間に及ぶ試行錯誤で把握したデータ構造に関する知識を使って、十六進数の値を直接書き換えていく。偶然も作用するそうした作業を経て、刺繍パターンにグリッチが混入され、新しいデザインが誕生する。
刺繍をするのはミシンの仕事。所要時間は大きさや色数によるが、今回のMAKEロゴの場合、1時間近い運転が必要となる。完成までの工程には手作業も少なくない。とくに刺繍糸の処理や台紙のクリーニングなどに手間がかかる。グリッチ刺繍以外にも、多くの服飾作品を作り続けてきたヌケメさんの手技によって、作品はできあがる。
このグリッチ版MAKEロゴTシャツを販売することが決まった。第1ロットは東急ハンズ新宿店で入手可能。数量は20。異なるパターンが用意されている。手にとって、触れて、グリッチ刺繍を体験してほしい。
他のグリッチ刺繍作品はヌケメさんのサイトで見ることができる。
編集から:東急ハンズ新宿店7FにてヌケメさんのグリッチTシャツ(4,200円)の他、MAKEロゴTシャツ、トートバッグ、MAKER’S NOTEBOOK、マグカップなど、これまでイベント以外では販売していなかったMAKE関連商品とバックナンバー、書籍を販売中です。お近くの方はぜひお越しください!(8月21日まで)