Electronics

2015.12.07

Wake-up Machine:ひっぱたいて起こす目覚まし時計

Text by kanai

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“Creative Technologist”Simone Giertzがまたやってくれた。今度は、ゴムの手が顔をひっぱたいて起こすという目覚まし時計だ。Clockyはウザかったからね。

我々は、Simoneに、このWake-Up Machineを思いついた理由について聞くことができた。彼女の回答は以下のとおり。

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私は朝がダメなんです。1日の始まりが朝じゃなければいいと思うことがあります。ランチとか午後のおやつ時とか。しかし現実から逃れることはできません。なので、毎朝の習慣を変えることにしました。毎日続けられる形で。たとえば、ロボットアームをプログラムして朝食を自動化しました。また、朝食後の歯磨きのために歯ブラシマシンも作りました。

そして最後に残ったのは、もっとも大きな朝の問題でした。それは、決断力と、強い意志と、忍耐力が必要な、もっとも困難な行動です。つまり、ベッドから起きるという行為です。ベッドから出られない最大の理由は、ベッドが心地よいことです。だから、ベッドの上にいるのが、ちょっとだけ嫌になるような目覚まし時計を作ったらどうだろうと考えました。私は自立した科学者であり発明家なので、解決法はすぐに見つかるはずです。そこで、科学者がそうするように、リサーチから始めました。そして、次のリストを作りました。

ベッドの中にいるのが嫌になるもの
・先週の夜に食べたナチョスの屑
・火
・顔をひっぱたくゴムの手

私は最後のオプションを選びました。ゴムの手で何度も何度もひっぱたかれて起きるのがいちばんいいと思ったからです。

下のビデオは、そうしてできたWake-Up Machineの映像です。馬鹿馬鹿しさに輝いています。

警告:Simoneは船乗りのような汚い言葉を使う(実際にボートハウスに住んでいる)。Wake-Up Machineにひっぱたかれると、彼女はあの悪い言葉を口にするので注意を。

腕は、ハロウィン用の小道具を使っている。体から切り取られた血塗られた手だ。外見をちょっとだけよくするために、ネイルリムーバーで血を拭き取り、飛び出した骨などの気持ちの悪い部分も取り除いた。設定した時刻になると、Arduino Unoとリレーが働いてデバイスが作動する。そして、ServoCityのブラシ付き直流モーターが、腕を回転させる。

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ビデオを見てわかるとおり、その他のSimoneの珍発明と同じく、目覚まし時計は思ったとおりには働いてくれない。しかし、そこが彼女のプロジェクトのいいところだ。Simoneは『ウォレスとグロミット』や『ジミー・ニュートロン』の世界に住んでいるのだ。そこでは、自動化やテクノロジーとは、ルーブ・ゴールドバーグマシン的プロジェクトのことを意味する。当たらずとも遠からず。いずれにせよ私たちは、馬鹿馬鹿しさとカオスの中間で問題解決法を学ぶ。マイクロコントローラーの使い方や、ロボティクスやサーボモーターを学ぶのだ。世の中には、技術を使った素晴らしいソリューションがあるが、Simoneがソリューションを探る方法は、面白くて楽しくて、教育的でもある。そして、たいていの場合、答えが見つからないのだ。それでもいい! 90年代のコンセプシャルアーティスト、Bill Barker(Schwaで知られている)がこう言っていた。「未来にはすべてのものがうまく動く」と。

[原文]