2014.07.22
テスラタワー復元計画
ロシアの物理学者のチームは、ニコラ・テスラの幻の計画を現代のテクノロジーを使って復活させ、世界規模の無線電源送信システムを実現させようとしている。その資金を彼らはIndiegogoで募っている。
158年前に生まれたテスラは、1902年、ニューヨーク州にウォーデンクリフ・タワーを建設した。彼はこの60メートルのタワーの頂上に設置された巨大なコイルから、電離層を利用して大西洋の向こう側との間で正確に電気的共鳴を調整し、大量の電気エネルギーを効率的に送ろうと考えたのだ。計画当初、J.P.モーガンの資金援助があったのだが、わずか数年で資金が底を突き計画は立ち消えた。タワーはその後10年ほど立っていたが、第一次世界対戦中に防衛上の理由から取り壊されてしまった。
20世紀初頭のウォーデンクリフ・タワー。
Leonid PlekhanovとSergey Plekhanovが計画しているこの現代版テスラシステムは、赤道付近の砂漠に大量のソーラーパネルとセットで建設される予定だ。2人は、100×100キロメートルの広さにパネルを展開すれば世界の電力需要がまかなえると考えているのだが、送電線を使うのでは効率が悪すぎる。その問題を解決してくれるのが、ウォーデンクリフ・タワーというわけだ。
だがこの電気食いのグローバル社会を満足させるためには、まず電力の長距離無線送信が有効であることを証明しなければならない。彼らは現在、オリジナルの半分のサイズのタワーを建設中だ。そして、Indiegogoで80万ドルの追加資金を募集している。実験は2014年の秋に行う予定だ。
これに成功した場合、さらに大きなチャレンジが控えている。ロードアイランドの3倍の面積を埋め尽くすのに必要なソーラーパネルの製造だ。しかし、時間と労力を惜しまなければ、このチャレンジもきっと成功する。テスラも喜ぶに違いない。
– Mike Senese
[原文]