2019.05.05
Maker Faire Kyoto 2019レポート#2:自作ピンボールやテスラコイルなど、子どもから大人まで夢中になる光りもの
Maker Faire Kyoto 2019も二日目に突入。今回は、「ひかり」にフォーカスして興味深い展示を紹介する。
1/3サイズの自作卓上ピンボール
FAR EAST PINBALLの展示は、MDFボードに3Dプリントした部品とソレノイドなどを組み合わせた、オリジナルの1/3サイズピンボール。実際に遊ぶとそのプレイ感は実物のピンボールそのもので、思わず夢中になってしまう。
制作者のnoguoさんは、ピンボール好きが高じて等々自作に踏み出した。アメリカではピンボールはひとつの趣味として確立した分野のため、ピンボールで使われている部品等は流通しているが、1/3サイズの部品は存在しないためこのピンボールの部品はすべて3Dプリンタなどで製作しているという。
ダークルームに展示しているため、多様なパターンで光るイルミネーションを眺めているだけでも飽きない。
光ながらサウンドを奏でるテスラコイル
薄暗いダークルームの最奥から妖しい光と大きなサウンドを発しているのが、dominoTECHによる二重共振型半導体テスラコイルを使ったMIDIの演奏。
暗闇のなかで、空中放電による紫の電光は、雷のようでとても美しい。その光がサウンドと共に形を変えていくさまは、見ていると目が離せなくなる。
動いてしゃべってマルチリンガルな絵本
光りものというよりプロジェクションを使った展示で子ども達に人気だったのが、ズームス・ラボの「インタラクティブな絵本」。絵本の上部には赤外線カメラと赤外線ライトがあり、それによってページやマーカーを認識し、それをPCで処理してプロジェクターから投影するというもの。
新聞紙サイズの大型絵本をテーブルに置き、ページをめくっていくと、ページに描かれた絵とストーリーに合わせた映像と投影し、アナログとデジタルが渾然一体になった物語体験が得られる。ストーリーとイラストは、絵本作家の三岡有矢音さんの協力で製作されたオリジナル。絵本に描かれたキャラクターの上と、投影される映像がマッチしているため、どこからが絵本で、どこからが映像なのかパッと見では区別がつかないほど。
絵本の左右に表示されているアイコンに、アイスホッケーパックのようなマーカーを置くことで、背景を山や海や宇宙に変えたり、言語を切り替えたりもできる。ちなみに、梅田にあるイノベーション施設「ナレッジキャピタル」内の「ザ・ラボ」で常設展示しているそう。
巨大な影絵に襲われる3Dドームスクリーン
会場の一番奥で存在感を示しているのがヒゲキタさんのドームスクリーン。直径4~5メートルはあろうかという半球上の空間で上映しているのは3Dの影絵。
赤と青のLEDの穂刈によって分子モデルや国際宇宙ステーションの模型の影を投影し、昔なじみの赤と青のセロファンを使った3Dメガネで楽しむというもの。簡単な仕掛けながら周囲を覆うドームスクリーンで体験すると、巨大な映像が頭上を通り抜けていく圧倒的な臨場感を味わえる。
ヒゲキタさんはMaker Faire Tokyoでも常連だが、このサイズの半球型ドームスクリーンを持ち込むのは今回が初めて。デモンストレーションは毎回盛況で、歓声がドームの外にも漏れてきてさらに周囲の人の興味を誘っていた。