Other

2019.05.22

Maker Faire Kyoto 2019 レポート#5:欲しいから、楽しそうだから、やってみたいから作った数々の作品たち

Text by Yusuke Aoyama

Maker Faire Kyoto 2019の最後のレポートは、会場でいろいろな意味で目立っていた展示物を紹介する。

自宅ガレージ製自動三輪車が2号機にバージョンアップ

Maker Faire Tokyo 2018にてホームセンターで調達した木と鉄で作り挙げた原付3厘自動車を披露したりひと工業自動車部が京都にも参上。前回のモデルから設計を見直し、なんとガルウイング仕様の2号機のお目見えとなった。

車体の多くは前回と同様に木材ベースで、足回りの構造なども踏襲している。最大の変更点は屋根とドアが着いたこと。これによって快適性は向上したものの、今度は車重が増えたためにトップスピードが伸びなくなってしまったとか。今回は、開場前のスペースを使って、実走も行なった。しっかりと走って、曲がって、止まって、バックするところまで披露し、「通勤に使える」実用性のほどを証してみせた。

生活に密着したメイカー活動のなかから生み出されたガジェットの数々

おぎーモトキさんは、障害を持つ子どもために、リハビリを助けたり、車椅子の操作を練習したり、日常生活をサポートしたりするために作ったさまざまなアイテムを展示。

展示品の多くは既存のオモチャやロボットやガジェットを流用したもの。だが、柔らかな触感で機械を操作できるのが新鮮なラッコのぬいぐるみ型の車椅子リモコンや、足の怪我で会場に来れなかった家族の代わりに説明員役を果たすロボットなど、身近な困りごとを解決するため創意工夫の果てに生み出したものばかり。

Maker的発想で子育てにまつわるニーズを解決する

子育てをする父親ならではの視点でものづくりに取り組むOh-makerは、自動的にフタが開閉するおしりふきケースや、妊娠中の母親が感じた胎動を父親にも届ける「胎動シェアスルン」、子どもがオモチャを片付ける褒めてくれるおもちゃ箱などを展示。実際の生活の中から生み出されたアイテムだけに、デモを見た来場者からは「これ欲しい」との声がチラホラ聞こえていた。

デジタルファブリケーションによってみんなで一緒に作る浮世絵

Handibot研究会 × fablatkidsでは、タブレット端末と小型CNC「Handibot」を組み合わせて、浮世絵を作るワークショップを実施。

タブレットでイラストを描くと、それをもとにHandibotが木版の表面を削って、デジタルファブリケーションによる版画製作を行なうというものだ。参加者が少しずつ作業を分担し、最終的には畳ほどの大きさの「鯉のぼり」の浮世絵が出来上がった。

前骨格ロボが「透けるスケルトン」に進化

Maker Faire Tokyoなど各地のMakerイベントに出没しているcreate_clockによる前骨格ロボット。今回は、すべてのパーツが透明になった“透けるトン”モデルとなって登場した。自ブースに止まらず、会場のあちこちに出現して子ども達を楽しませていた。

オモチャを改造して不思議な電子音を楽しむ

谷浦朋文 a.k.a. 世紀マ3」では、改造することで通常とは違う変な音が出るようになった大量のオモチャやゲームボーイを展示。Maker Faire Tokyoにも出展していたが、その時との違いは大量のオモチャたち。聞き慣れた電子音が改造によって不思議なトーンに変えられ、なおかつ大量に並んでいることで、ブースには大人から子どもまで引きも切らず押し寄せていた。