2020.07.31
夏休みの自由研究に!今年だからこそ試してほしい「手洗いの効果を確かめる実験」試し読み公開。新刊『キッチンサイエンスラボ』は8月発売
今年の夏休みはなかなか楽しくお出かけしにくいかもしれません。そんなときは、子どもたちと一緒に、おうちで科学実験はいかがでしょうか。
『キッチンサイエンスラボ――親子で楽しむ52の科学体験』は、家の中にあるもので手軽に楽しめる52の科学実験集です。身近にある食材やキッチンにある道具を使いながら、さまざまな化学反応や結晶化、物理の法則、液体の性質、静電気、DNAの分離、酸と塩基の性質、微生物の観察、ロケットのシミュレーションまで、幅広いテーマのプロジェクトを、遊び感覚で試すことができます。監訳は、TBS「ひるおび!」のコメンテーターや、『宇宙のかけら』『99.9%は仮説』などの著作でもおなじみ、サイエンス作家の竹内薫さんです。
この本は、夏休みの自由研究のネタ探しにもおすすめです。中でも「実験32 手づくりの微生物動物園」と「実験34 手洗いの効果を確かめる実験」の2つの実験は、身のまわりの見えない菌を可視化したり、“手を洗う”という行為がいかに菌を抑えることに効果があるかを知る、コロナ禍の昨今においてとても意義のあるプロジェクトになるでしょう(担当編集は、この本の日本語版を今年の夏に出版できることの意義を大いに感じています)。多くの子どもたちに知ってほしいという想いから、試し読みを公開いたします。以下のリンクからご覧ください。
試し読み(PDF)はこちらから!
そのほかにも、さまざまなジャンルの楽しい実験がたくさん載っています。実験を安全に行うためのコツとヒント、実験の裏にある科学の知識も解説しています。ぜひ、お気に入りのプロジェクトを探してください!
●書籍概要
『キッチンサイエンスラボ――親子で楽しむ52の科学体験』
Liz Lee Heinecke著、竹内 薫 監訳、竹内 さなみ 訳
2020年08月18日 発売
B5変形判/144ページ/オールカラー
ISBN978-4-87311-915-1
定価2,200円
◎全国の有名書店、Amazon.co.jpにて予約受付中です。
◎目次等は O’Reilly Japan – キッチンサイエンスラボ――親子で楽しむ52の科学体験 をご参照ください。
●「監訳あとがき」より
私がキッチンサイエンスという言葉を意識し始めたのは、娘が小学生になってからのこと。私自身はサイエンス畑の仕事をしているのに、娘は、あまりサイエンスに興味がないらしい。一大事である。いろいろと実験をやろうと提案しても、娘の興味はアニメだったり、ゲームだったり、フラダンスだったりして、乗り気にならない。
そんなある日、紫キャベツで「リトマス試験紙」を作って、いろんなものがどれくらい酸性かアルカリ性かを調べる実験を提案したら、「やるやる!」と、食いついてきた。不思議だ。
そんなことが何回か続き、とうとう私は原因を理解した。そう、料理好きの娘にとって、キッチン回りにある素材を使った実験は、「さあ、がんばって小難しい科学実験をやるんだ」ではなく、「いつもと同じキッチンで楽しいことをやりますよ~」という位置づけだったのである。そんなわけで、いま娘は、この本の中にある菌の培養実験に夢中だったりする。
電気実験は「電子の移動」が複雑で、少々、混乱するらしいが、そういった理論は中学以降に理解しても遅くはない。まずは、楽しむこと。それがサイエンス好きの子どもを育てる秘訣だと思う。
ちなみに、この本の手順にしたがって実験してみても、良い結果が出ないことだってある。微妙に素材や条件が整わないのが原因だ。でも、科学者だって、毎日、同じ目に遭っている。というか、うまくいかない原因を考えて改善するのも立派なサイエンスであり、簡単に結果を出すことが目的ではないのだ。
どうか、親子でキッチンサイエンスと格闘してみてください。苦労が多ければ、うまくいったときの笑顔も大きくなる。それがサイエンスの醍醐味なのです。
――竹内 薫