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2020.10.06

もんだいかいけつアイデアコンテスト受賞作発表! 最優秀作は、「車よいしない車」に決定!

Text by fukuoji

小学生を対象に家族など身近な人や学校、地域、そして世界の問題への関心を高め、自分たちでも解決できるという視点と自信を子どもたちに身に付けてもらうことを目的とした「もんだいかいけつアイデアコンテスト2020」。新型コロナウイルスで学校も対応に追われている中、235件の力作が寄せられ、その中から受賞作が決定しました。審査員のコメントとともに紹介します。

●最優秀賞「車よいしない車」

車よいしない車

▶︎後輪を固定し、前輪で細かな振動を抑制する方式は、ボーイングのジェットフォイルのアクティヴ制御に通じる。ホットロッド風の前傾姿勢など、身近な動機から何やら熱いものを感じさせてくれるアイデアだ。— 久保田晃弘(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)
▶︎「車酔いをしない」=「ゆれないこと」と捉え、ゆれを防ぐ機構を機械的に解決しようとしているところが、とても小学3年は思えない。まさにメイカーフェア的な発想での問題解決に恐れ入りました。— 平井聡一郎(株式会社情報通信総合研究所 ICTリサーチ・コンサルティング部 特別研究員)

●優秀賞(高学年部門)「easy speak」

easy speak

▶︎写真を撮影する人は多いが、声を録音する人は少ない。声に障害のある人だけでなく、さまざまな人に使ってもらいたいアプリである。ただし、悪用も可能なので注意。— 久保田晃弘
▶︎おそらく身近に、会話に困難を感じている人がいるのだと思う。そんな困り感をなんとか解決しようという思いを感じるアイデアです。音声の合成でなく、あくまで自分の声で意思を伝えることを大事にしてるんだということが素晴らしいです。— 平井聡一郎

●優秀賞(高学年部門)「教室内の温度差」

教室内の温度差

▶︎温度の感じ方は、思っている以上に個人差が大きい。コロナ禍で夏休みが少なくなる今年は、授業における冷房の使用率も高い。気づきそうで気づかないアイデアである上に、細かいところまでよく考えられている。— 久保田晃弘
▶︎短くなった夏休み。暑い中登校し、教室の中って思ったより冷気が偏ってることに気づいたんでしょうね。みんなが気持ちよく過ごせるようにって考えたアイデアにやさしさを感じます。— 平井聡一郎

●優秀賞(低学年部門)「おれないえんぴつ」

おれないえんぴつ

▶︎鉛筆の芯が折れやすいということに気がついた時、芯を硬くするのか、あるいはそれを使う側の人間を変えるのかは重要な分かれ道だ。鉛筆によってつくられている手の握りや動きを考えることこそが重要だ。— 久保田晃弘
▶︎鉛筆の芯が折れたとき、なぜ折れたのかなって考えたんでしょう。ふつうは芯を丈夫にするって発想になるところを、自分で力を入れすぎたことに気づいたのかな。すばらしい発想だと思います。— 平井聡一郎

●優秀賞(低学年部門)「りょうりかいけつ表」

りょうりかいけつ表

▶︎気がついた問題の大きさと、それを解決する方法のバランスは重要だ。この問題の解決に、高度な技術は不要である。むしろ、この表をきっかけに、家族の中で問題意識が共有され、議論が始まる姿が目に浮かぶ。— 久保田晃弘
▶︎コロナでみんなが家にいるという非常事態。お母さんに仕事が集中していることを、上手に解決しましたね。単にお母さんを助けるのではなく、家族みんなで仕事を分担するという解決にいたったこと、ちいさな弟を気づかい、仕事を分けようとした優しさに感動です。— 平井聡一郎

●covid-19分野賞「ちかづきすぎないマスク用イヤリング 」

ちかづきすぎないマスク用イヤリング

▶︎今年はCOVID-19に関連して、多くの案が寄せられたが、こうした優しい視点のものは少なかった。いい香りがしたら、逆に近寄ってくるんじゃないの、と考えさせられるところに人間の逆説が内包されている。— 久保田晃弘
▶︎コロナの自粛生活の中で、なにやら人間関係がギスギスしていく様子を見ていたのかな。自然なソーシャルディスタンスが無理なくできる解決法は見事です。— 平井聡一郎

 

●審査員特別賞(久保田晃弘)「ETCP24h」

▶︎今回の提案の中で、もっとも実現に近いのがこのアイデアだった。すでにいくつか実験もされているようだが、なかなか社会の中では広まっていかない。これを機会にその理由を考えてもらえると嬉しい。— 久保田晃弘
▶︎全国的に普及してきたETCを電子マネーとして使うアイデアを、高速道路と駐車場という車ユーザーが日常的に使う場所に落とし込んだことがすばらしい。— 平井聡一郎

 

●審査員特別賞(平井聡一郎)「ワンニャンプロジェクト」

ワンニャンプロジェクト

▶︎COVID-19の状況で、保護犬、保護猫のようなペットと人間の責任の問題は、ますます拡大している。元気でない動物をどうすればいいのか、そして動物の気持ちの問題も、これを機会に考えて欲しい。— 久保田晃弘
▶︎すべての猫派が感激します。すぐにでも実用化、実現したいアイデアだと思います。健康診断を上手にシステムに組み込んだことが特にすばらしい。— 平井聡一郎

●STEMON賞「あつりょくくつ」

▶︎こうしたフレキシブルで再利用な靴は、おそらく先進国の中産階級「以外」の人にこそ必要なものだろう。シンシア・スミスの『世界を変えるデザイン』を読んでみるといいと思う。— 久保田晃弘
▶︎お年寄りにやさしいアイデアですね。エコとバリアフリーが一緒にやってきたかんじ。お年寄り、身体の不自由な方にやさしい問題解決です。— 平井聡一郎
▶︎この問題解決策は自分がラクチンになるだけじゃなく、お年寄りや体の不自由な人にとってもとても喜ばれるものでしょう。
日常生活で当たり前になっていることのなかにも、多くの人の問題を解決できるものはあると気づかされました。— 中村一彰(株式会社ヴィリング 代表)

●Maker Faire Tokyo賞「マスクコピープリンター」

▶︎マスクだけでなく、万能パーソナル・ファブリケーションのためのツールの提案である。なんでもつくってみよう、なんでも入れ込んでみよう、というメイカー魂を感じさせてくれるアイデアだ。— 久保田晃弘
▶︎ただのマスクの工夫ではなく、マスクの作り方まで記入されている。マスクの構造、製造過程まで理解してる小3に驚きです。— 平井聡一郎
▶︎マスク不足をコピー機(プリンター)で解決するという楽しいアイデアです。アイデアイラストや動作の様子が、とても具体的でイメージがふくらみます。すでに存在する技術で実現できそうなので、メイカーの皆さん、未来の「ちくわぼうず」さんにぜひ挑戦していただきたいと思います。— Maker Faire Tokyo事務局

受賞作品はMaker Faire Tokyo会場にて展示を行った他、10月4日(日)には、ステージにて受賞者の表彰式が行われました。本年は感染予防のため遠方の受賞者にはリモート参加で会場とZoomで接続し、表彰式を体験していただきました。

●受賞作品展示の様子