2020.10.08
「たのしいmicro:bitコンテスト2020」Maker Faire Tokyo 2020にて決勝大会が行われました!
教育用マイコンボード「micro:bit(マイクロビット)」を使った作品コンテスト「たのしいmicro:bitコンテスト2020」の決勝大会が、10月4日(日)にMaker Faire Tokyo 2020の会場内で行われました。
今年で3回目となる本コンテストでは、6~8月に作品を募集し、9月上旬に一次審査通過作品を発表。一次審査を通過した2部門6作品をMaker Faire Tokyo 2020の会場に作品を展示するとともに、会場ステージで最終プレゼンによる決勝大会が行われました。
本年は、決勝進出者は会場への来場もしくはZoomを利用したリモート参加のいずれかの方法で、決勝大会に参加いただきました。決勝大会では、事前に用意したプレゼン動画の内容と、審査員による質疑応答の内容を総合してその場で審査が行われ、グランプリ1作品、優秀賞2作品、特別賞3作品の受賞が決定しました。審査員のコメントとともに紹介します。
●グランプリ(1名)
「おじいちゃんの飲みすぎ防止システム」作者:mebumebuさん
審査講評:発表においても試行錯誤の過程や制作で工夫されている点、つまずいたポイントなどがしっかりと解説されていて素晴らしかったです。そしてなにより、この「おじいちゃん飲み過ぎ防止システム」は、家族のために作られているという点、加えて家族全員の力を使って制作に取り組んでいるという点が、楽しみながらも身の周りの自身や家族の問題を良くしようとするメイカーの精神をよく体現してたと思います。冷蔵庫の保冷性を改善するためにクーラーボックスを改造したいというアイディアに関しても、ぜひチャンレンジしてもらえればと思います。(審査員:吉村)
●優秀賞(2名)
「ゲームクロック」作者:ストラットン有栖さん
審査講評:円状のLEDを上手く使って、時計としてもゲームとしても使うことができる面白いインタフェースの作品です。LEDの色もうまく使い分けていて、時針、分針、秒針を表現したり、色合わせゲームとして使ったりしていて、見た目にもカラフルで楽しいです。装飾もデジタルの中に花などが描かれることで、自然とデジタルがうまく融合しています。(審査員:原)
「はたらきネコのリンゴ収穫日記」作者:moki_256さん
審査講評:ゲームを進めていくと実際にリンゴをどんどん持たされることでゲームとしての難易度が上がっていくという、ユニークなアイディアです。micro:bitだけでなく、レゴのマインドストーム、Scratchなど、他のガジェットと組み合わせることでゲームとしての可能性を広げています。周りの人たちに実際にプレイしてもらってアドバイスを求めるという姿勢も素晴らしく、完成度も高い作品です。(審査員:原)
●特別賞(3名)
「眠気覚ましマトリョーシカ」作者:Tammyさん
審査講評:自分自身に向けたものづくりはメイカーの一番の原動力となるので、「自分を起こす」という本作品は素晴らしいアイデアでした。動画のなかでソーラン節が出てきたのも、他の人にはなかなか真似できないオリジナリティがあって素敵でした! 猫の口の中にスピーカーが入っていたりとか、箱のそれぞれがかわいくデコレーションされていたりとか、工作部分も楽しみながら制作した様子が見て取れました。ぜひ今後も自分自身のためのものづくりを続けてほしいです。(審査員:矢島)
「MICRO:BIT RADER」作者:TKTK360さん
審査講評:自身の夢のデバイスを作るために素材の良さを生かしながらレーダーを作り、そのアプリ部分までしっかりと作りこんでいて大変素晴らしいと思いました。素材の良さを生かした点は良かったのですが、レーダーのレーダー機能が色と向きだけになってしまったところもあり、方向や近さがより分かりやすいレーダーに近づけるべく、もっと改造できるところはあるかなと思いました。また、スマホと連携させていたというところを活かして、GPSを使い実際の屋外で紹介できると、さらに良い発表になりそうです。(審査員:吉村)
「AIロボット まるおくん」作者:3D工房-SARUさん
審査講評:まるおくんはその見た目の愛らしさはもちろんですが、Alexaの拡張性によっていろいろな追加機能が期待できることが素晴らしいと思いました。また、制作の様子がnoteに細かくつづられていて、同じようなチャレンジをしたい方への背中を押す活動にもなっていると感じました。AIロボットと聞くと難しそうですが、プログラミングや工作を頑張ればこういったロボットが手に入るんだよ、ということが伝われば、一家に一台まるおくんがいる未来もありえそうですね! ぜひ今後も素敵な作品づくりとメイカーを増やす活動を続けてください。(審査員:矢島)
決勝大会での個性豊かなプレゼンテーションに、観客の皆さんも作者の皆さんもともに楽んでいただけた様子でした。ご応募くださった皆さま、Maker Faire Tokyo 2020の会場で作品をご覧いただいた皆さま、決勝大会に参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
「このコンテストの最大の特徴は、技術力ではなく“楽しさ”を評価するところ。楽しさは、ものづくりで最も重要なモチベーションを生み出すもの」(コンテストの審査員を務めた株式会社プロキッズの原正幸さん)。これからも、つくることの楽しさを皆さんと共有できるような取り組みを進めてまいりたく思っています。