2011.06.22
Makey Awards 2011 ノミネート第一号はMicrosoftのKinect – もっともハックしやすいガジェット部門
第一回 make magazine industry maker awardの開始に際して、みんなが「え?」と思うようなノミネート企業を発表できることを大変に喜ばしく思います。私たちはmicrosoft corporationをノミネートしました。部門は、most hackable gadget(もっともハックしやすいガジェット)で、対象となった製品は、体の動きを感知する自然言語型のゲームコントローラー「kinect」です。
いろいろな意味で、企業としてのマイクロソフトとKinectは、「ハッカーフレンドリー」という考え方と対照的です。Kinectのセンサを開こうとすると、不正開封止めの固定具に阻まれ、ネジの代わりに接着剤が使われており、独自形式のコネクタが現れるなど、「Maker権利宣言」に反するものがずらずらと登場します。しかし、比較的安価で驚くべき性能を誇るKinectは、ロボティクス、パフォーマンス、ゲーム、インターフェイスデザインといった分野(と、思いつくかぎりあらゆる分野)のクリエイティブなハッカーにものすごい可能性をもたらすものです。これは誇張ではありません。事実、Kinect発売からほんの数ヶ月で、Kinectのハッキング作品が続々と生み出されているのですから。
しかし、そこにはMicrosoftのある決断に関わる物語がありました。ノミネートの決め手ともなったものです。2010年11月4日、Kinectが発売され、実用的なオープンソースのKinectドライバを開発した人に贈る賞金を、11月10日にHector Martinが獲得。Microsoftはこれに憤慨して、公にソフトウェアによる対抗措置や法的措置によって「自社製品の改造」を阻止すると発表しました。その後、それに関する論争が起こり、EFFの仲裁が入るなどした結果、Microsoftはそれまでの方針を改めることを、11月21日の公共ラジオ放送で発表したのです。
FLATOW:では、みんながオープンソースのドライバを使っても問題はないと?
Ms. LOFTIS(Microsoft):人々が大きな刺激を受けて、キネクトが発売されて1週間もたたないうちに、それで何かを作ったり、何ができるのかを考えたりし始めたことに、クリエイターとしての私は大変に興奮しました。
FLATOW:では、誰も罪には問われない?
Mr. KIPMAN(Microsoft):そんなことは、絶対にありません。
Ms. LOFTIS(Microsoft):ありません。
FLATOW:マイクロソフトの今の発言を、みなさんも聞きましたね
ということで、Microsoftに敬意を表します。その調子でね。
– Sean Michael Ragan
[原文]