Electronics

2018.03.23

Raspberry Pi 3 Model B+ 登場

Text by Matt Stultz
Translated by kanai

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3月14日の「パイデー」(円周率が3.14159……だから)に、Raspberry Pi財団は新しいモデルを発表した。発売から2年が経つ標準機のアップグレード版「Raspberry Pi 3 Model B+」だ。Pi 3 B+はRaspberry Piプロジェクトの事実上の新しい標準機となるようだが、Pi 3から即座に乗り換える人はそう多くないかも知れない。フォームファクター、ピン配列、ポートはすべて現状のPi 3と同じで、中身の性能だけが変わっている。Pi 3 B+はメインのプロセッサーを1.2GHzから1.4GHzに変更し、このわずかに上がった速度に対処するために冷却性能も上がっている。オンボードのWi-Fiは2.4GHzと5GHzのデュアルバンドとなり、Bluetoothも4.2にバージョンアップしながら、以前のバージョンとBLEにも対応している。そして、オンボードのEthernetも高速化された。

私たちは発表の1週間前にPi 3 Model B+を手に入れ、レビュー記事を書くためにしばらく使ってみた。以前にPiを使ったことがある人なら、最初の設定手順はご存知だろう。別のコンピューターでSDカードを準備して、内蔵のraspi-configで設定を行う。PiBakeryのようなプロジェクトを使えば、新しいPiのネットワークへの接続などを含む最初の設定が簡単にできる。その設定が終われば、後は、私たちが親しんできたこれまでのPiとまったく同じに使える。

Pi 3は、Wi-FiとBluetoothを搭載したことで画期的なボードとなった(2からアップグレードされたプロセッサーのおかげだ)が、B+の場合は、わずかな性能向上といった感じだ。だから「4」とは呼ばず、「B+」となったわけだ。しかし、Raspberry Piはこの程度の更新で、Asus、Nvidia、Onion、Next Thing Co.などの追撃をかわせるのだろうか。

Raspberry Pi 3, Model B+の仕様

タイプ:シングルボード・コンピューター
価格:35ドル
入力電圧:5ボルト
駆動電圧:3.3ボルト
ソフトウェア:Linux
メインプロセッサー:Broadcom BCM2837B0 クアッドコア A53(ARMv8)64-bit SoC
クロック周波数:1.4GHz
メモリー:1GB LPDDR2 SDRAM
I/Oピン(デジタル):40ピン拡張ヘッダー(GPIOピン29本)
I/Oピン(アナログ):なし
映像出力:HDMI
Wi-Fi:2.4GHzおよび5GHz IEEE 802.11.b/g/n/ac 無線LAN
Bluetooth:Bluetooth 4.2(Bluetooth LEを含む)
Ethernet:ギガビットEthernet
USB:USB-A 4本
サイズ:86×56ミリ
ウェブサイト:http://raspberrypi.org
その他の機能:3.5ミリ・4極オーディオ・ビデオ・ジャック、CSIポート、DSIポート

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