Electronics

2017.06.16

レトロなテレビ、Sharp 3S-111WをRaspberry Piでゲームコンソールに改造

Text by Caleb Kraft
Translated by kanai

Ben Heckを始めとする多くの人たちが、プラスティックと複雑な電子機器を使って、びっくりするようなゲームシステムを自作しているが、あんなすごいモノを自分で作るなんてとても無理だと思っている人も多いだろう。そこで、最低限のスキルと労力で作れる簡単プロジェクトを紹介しよう。

Piのおうち

Raspberry Piにレトロゲームのエミュレーターをぱんぱんに詰め込んでいるのは、私だけではないと思う。そいつは、我が家のテレビキャビネットの上に鎮座し、私や息子たちが、昔のゲームをプレイしたいという欲求に耐えられなくなるのを待っている。まだケースには入れていない。そいつに相応しいクールなケースがないものかと、いつも探している状態だ。Raspberry Pi専用のプラスティックケースはあまり好きじゃない。棚の上やテレビの脇に置いても違和感のない、昔の電気製品がいい。

最初は、Raspberry Piを収めるためのケースを探していたのだが、Sharp 3S-111Wに出会って、考えががらりと変わった。小型でポータブルなテレビだ。ACアダプターを収めた台は取り外しができ、ハンドルを引き出して本体を持ち上げれば、どこへでも持ち運べる。

これを見た瞬間に、レトロゲームのコンソールに最適だと感じた。棚の上に置けるサイズだし、ディスプレイを始めとするすべての部品を中に収めることができるのが魅力だ。これを使えば、「メトロイド」をプレイする間でも、テレビを占有しないで済む。

作る

複雑な工作を望んでおいでなら、これは違うと言っておこう。基本的に、テレビをこじ開けて、中身を取りだして、正面に穴を開けて、部品を中に入れて、ホットグルーで固定するだけだ。テレビは大幅にいじられることになるが、誰にでもできる改造だ。

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1つだけ、大がかりな作業となるのは、ディスプレイを収める開口部の加工だ。私の場合、たまたまこの液晶ディスプレイが余っていたので使用したが、これと同じ改造を行おうとするなら、こっちをお勧めする。価格はほぼ同じだが、解像度が高い。

私は画面サイズの型紙を作り、それに合わせて穴を開けた。線が真っ直ぐになるようにとか、縁を丁寧に紙ヤスリで磨くなんてことは、あまり考えなかった。全体がプラスティックのカバーで覆われるので、切断面は目立たなくなるのだ。ただし、目立たなくなるよう、切断面には黒い塗料をスプレーしておいた。

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ディスプレイが収まったら、あとの部品をホットグルーで固定する。そのあとは、プラグ・アンド・プレイだ。ちょうどいい延長ケーブルをテレビの中に入れて、ディスプレイとRaspberry Piをつなぐ。もっと美しく配線することもできたが、そんな必要はない。十分な広さがあるからだ。

ちょっと苦労したのは、スピーカーの配線だ。Raspberry Piから出ているRCA映像アダプターのケーブルを切って、スピーカーにハンダ付けした。なぜそんなことをしたのか? 気が短いからだ。店に走ってアンプ付きのスピーカーを買ってくるなんて、面倒くさい。だが、すぐにでもヘッドホンジャックを取り付けて、アンプ付きの外部スピーカーを鳴らすようにしたい。今のままでは、音が小さすぎるのだ。

holes

テレビの中身を取り出すときのための、コツが1つある。中身を取り出すと、スイッチなどの穴が残る。厚紙に布を貼り付けて、それで穴をふさぐときれいに仕上がる。厚紙でなくても、平らなものならなんでもいい。

今後の予定

テレビをいちいち開けなくてもUSBポートが使えるように、Raspberry Piの位置を変更したい。そうすれば、ゲームパッドを簡単に交換できるようになる。前にも書いたが、ヘッドホンジャックを取り付ければ、ゲームのサウンドももっとよくなる。電源スイッチも付けたい。いちいちコンセントを入れたり抜いたりしないで済むようにだ。

原文