Electronics

2015.10.05

9ドルLinuxコンピューター「CHIP」出荷開始

Text by David Scheltema
Translated by kanai

CHIP, the $9 computer, is shipping
9ドルコンピューター、CHIPの出荷が開始された

9ドルのCHIPコンピューターの出荷が始まった。Next Thing Co.の CEO、Dave Rauchwerkによると、初期の寄付者には5〜9日以内にCHIPが1つ、追加オーダーの分は12月に届くという。だが、KickstarterのKernel Hacker Backerレベルで支援した人には、CHIPが2つ贈られる。2つめは10月中旬になるという。

CHIPは画期的な、オープンソースのソフトウェア付き、オープンソースハードウェアプロジェクトだ。ボードの仕様は、1GHz R8 ARMプロセッサー、RAM 512MB、NANDストレージ 4GB、Wi-FiとBluetoothが内蔵されている。これだけの内容で9ドルというのだから、これまででもっともお買い得なコンピューティング・プラットフォームというわけだ。

Time to flash this CHIP
このチップをフラッシュするときが来た

初期の寄付者には2つ贈られるという棚ぼたな企画は、いろいろなサプライチェーンを試したいというRauchwerkの意図が幸いしている。2つも贈るということに関してさらに突っ込んで聞くと、彼はこう答えた。「だってたったの9ドルだし」

Linuxシングルボード・コンピューターのギーク(私もそうだが)にとって、CHIPの出荷開始の発表は、MakerConでももっとも興奮させられる話だった。私はNext Thing Co.のCEO、Dave Rauchwerkを捕まえて、出荷のことや今後のことを聞いてみた。

約束通りの時期に発送できたこともそうだが、クラウドファンディングで登場したハードウェアには珍しく、説明書が充実している。これには、8本の“getting started with チュートリアルも含まれる。このチュートリアルでは、ボードのフラッシュ方法からBluetoothの設定まで幅広く説明されている(アルファ版CHIPの最初のバージョンは、ユーザーがボードをフラッシュする必要があるが、やり方はとても簡単で、説明もしっかりしている)。

現在のところ、ボードに搭載されているイメージは、メインラインのLinux Buildrootだが、オープンソースなので、多くの人の手に渡るや、すぐに別のディストリビューションも使えるようになるだろう。

CHIP alpha unit running Debian 8 at MakerCon
Debian 8を走らせるCHIPアルファユニット(MakerConにて)

これから急いでCHIPの性能を試して、わかったことを報告したい。

追加情報:MakerConのパネルディスカッションで、Dave RauchwerkはC.H.I.P.の意味を、Computer Hardware in Products の頭字語であると明かした。

訳者から:ビデオの内容は、ほぼここに書かれていることと同じです。

原文