2008.08.28
飛行船は難しい
飛行船は難しい: 英仏海峡を人力飛行船で渡る*… ありがとう、Sam!
空は飛行船にはキツイところだ。自作の人力飛行船で英仏海峡を渡ろうと目論む39歳のフランス人、Stephane Roussonもそう言っている。子供のころ、荒れ狂う英仏海峡の横断に初めて成功した人力飛行機、Gossamer Albatrossにすっかり魅せられてしまった彼は、1979年のその偉業を再現したいと考えた。そして、Roussonは足こぎ式の飛行船Zeppyを手に入れた。もともとこれは、Jean Marc Geiserとその息子Luc backが 1984年に作ったもので、直径3メートルの可変式プロペラを使って前進と方向転換を行う仕組みだ。本体に吊り下げられたリカンベントバイクに乗って、ペダルを漕ぐとプロペラが回る。Roussonは飛行船のシャシーを改造し、安定性とパワーを強化した。彼は30時間以上の飛行を行ったが、そのなかには、海岸の街ツーロン上空の4時間にわたる飛行も含まれている。しかし、まだ英仏海峡は渡っていない。問題があるからだ。8メートル以上の風速の中では、飛行船は蛾を追いかける猫のようにくるくる回転してしまうのだ。さらに、太陽の光によってZeppyの中のヘリウムが熱せられ、破裂してしまう恐れもある。通常、英仏海峡が無風になるのは、年に3日ほどしかない。Roussonは、55キロの距離を5時間かけて飛べる日を、慎重に待たなければならない。次の予定は9月だ。今度こそ、計画がしぼむことなく成功させたいと願っている。
– Phillip Torrone
[原文]