Science

2010.03.03

音もスゴイがいろんな意味で仰天の酸素ランス

Text by kanai

YouTubeユーザー、OliKillsのビデオだ。2人の男性が酸素ランスを使っている。コンクリートの塊も焼き切ることができる道具だ。20秒ほどのビデオだが、最後のほうには溶けたコンクリートの白い蒸気が巻き上がり、歩道に”溶岩”が流れ出る様子がうかがえる。
Mythbusters(怪しい伝説)で見た人もいるかも。
……「スコア」「The Thief」「バンクジョブ」などの泥棒映画で見たという人もいるだろう。Mythbusters(怪しい伝説)の「Episode 59: Crimes and MythDemeanors II」(日本未放送)では酸素ランスで金庫破りに挑戦している。たしかに、大きな金庫を開けることができたが、その熱で中身も燃えてしまう(中身が貴金属だったら、ちょっと溶けるけど問題ない。『クリプトノミコン』(ニール・スティーブンソンの第二次世界大戦の暗号戦をテーマにした小説)の世界だったら、そのほうがいいのかも)。
thermal lance diagram.jpg
画像提供:MachineDesign.com
ともかく、この道具は美しいまでにシンプルだ。長い鉄の筒の中に、鉄やアルミやマグネシウムの棒が入っている。手に持つ安全な側から筒に酸素を送り、反対側を酸素アセチレントーチで点火する。切断作業の間、酸素ランス自体も短くなっていく。先端は4400度にもなるそうだ。
Theodore Grayは、生ハムで作った酸素ランスで鉄板を切断したことで、一部で有名。
– Sean Michael Ragan
訳者から:英語ではThermal LanceとかThermic Lance(熱の槍)と呼ばれている。日本では、酸素ランス、ランサー棒とかいろんな呼び方があるみたい。
原文