Electronics

2010.11.02

OpenStreetMap – Makerによる地図作りプロジェクト

Text by kanai

OpenStreetMap(OSM)の創設者、Steve Coastは、ユニークな編集型世界地図プロジェクトに関する本を執筆中だ。Steveは2004年にOSMを創設して以来、ずっと熱心に活動を続けてきた。彼は夫婦でデンバーに住み、ハンググライダーやハンマーのコレクションを楽しんでいる。- Gareth Branwyn

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ナイロビのキバラで、GPSとペンと紙を使って地図を製作中のOpenStreetMapperたち。
地図だってDIYして悪いことはない。他の物作りと同様、部屋の中や屋外で体を動かし、昔ながらの、または最新の方法でデータを集めて、できたときには達成感が味わえる。
まず問題点から考えてみよう。現代の地図は、大抵、古くて間違っている。それに高価だ。地図が完成するころには、もう道路が変化している。だからまたすぐに外へ飛び出して修正しなければならない。道の名前が変わったり、封鎖されたり、そうしたことで地図は実際と違っていく。地図が古くなるほど違いは大きくなる。地図は高価でライセンス料も高い。国の地図を作るという作業には大変なコストがかかるため、地図製作をやろうという会社はほんの数社しかなく、投資の元を取ろうとすれば高くなって当然だ。
ブリタニカ百科辞典とウィキペディアの台頭を思い起こさせる。古くてズレている? そのとおり。高い? そのとおり。ライセンス料が高い? そのとおり。
そこでOpenStreetMap(OSM)だ。OSMはオープンライセンスの世界地図であり、誰もがその製作に参加できる。修正したり通りを追加したいと思ったら、自分でできる。ハイキングコースやスキーコースを加えることも自由だ。希望があるかぎり、どこまでも際限なく続いていく。

実際にどうすればいいのだろう? 地図にしたい道を歩いて、GPSでトレースするのだ。そして沿道の目印を記録していく。小川の名前や、国道の速度制限、水飲み場の位置などだ。記録方法は自由。紙と鉛筆でもいい。写真を撮ったり、ボイスレコーダーに声で記録してもいい。部屋に戻ったら、フリーツールや地図製作サイトを利用して集めたデータを地図にまとめていく。ただし、これは中毒になるからご注意。
OpenStreetMapは地図製作だけに留まらない。– これは世界中の30万人の協力者からなる巨大なコミュニティでもある。定期的に地図製作イベント(マッピング・パーティー)が催され、初心者に地図の作り方を教えたりしている。また、2011年にはデンバーで国際会議が開かれることになっている。
OSMについてもっと詳しく知りたい方は、ウィキブログヘルプフォーラムを参照してほしい。あなたの地元の地図を見て、修正すべき箇所を探してみよう。頭で考えるより簡単だ。地元のMakerやハッカーのグループにも教えてやろう。
– Steve Coast
訳者から:日本でも活発な活動が行われています。OpenStreetMap Japan
原文