Fabrication

2011.08.26

Zero to Maker(ゼロからのMaker): 正しい人たちと一緒に過ごそう

Text by kanai


これから1カ月ちょっとの間、ちょっとヤル気のなかったMaker、 David LangがMakerカルチャーに身を沈め、我らの仲間、TechShopの寛大なるご協力のもと、できる限りのDIYスキルを習得していく様子をレポートします。彼は、何を学んだか、誰に会ったか、どんなハードルをクリアしたか(またはしなかったか)など、奮闘努力の過程を定期的に報告します。きっと面白いものになるよ。 – Gareth
人はもっとも多くの時間を共に過ごしている5人の平均である。 – Jim Rohn
この格言を初めて聞いたのは、2009年に私がOCSC Sailingに務めていたころだった。私は50フィートまでのヨットを操縦できる免許を取得したばかりのときで、この言葉は私を立ち止まらせた。そして、今自分はどこにいるのか、どうやってここまで来たのかを考えさせられた。その1年半前まで、アメリカでもっとも難しい部類に入るサンフランシスコ湾で大型ヨットを借りて動かした経験などひとつもなかった。私は免許の取得を誇りに思っていた。しかし、不思議なことに自分自身が変わったという感がしない。それどころか、昔からの自分そのままなのだ。そしてあの格言を聞いて、納得ができた。これまでに経験した仕事や局面を、大学、高校までさかのぼって振り返るに、どんなに勉強しようとも、どんなに頑張ろうとも、そんなこととは関係なく、自分が技術や習慣を獲得する根底に直接関わっていたのは、そのとき付き合っていた人たちであることがわかった。
それ以来、私はこの言葉を、新しい技術を効果的に習得するための信条としている。Zero to Makerの旅の最初のステップとして、私はゆっくり時間をかけて、誰と付き合うべきかを考えた。そして、もっと大切なこととして、その人たちが仲良くしてくれるための方法を考えた。私が住んでいる地域(サンフランシスコ)に住んでいる人たちをざっと調べてみたところ、毎月開かれているミートアップグループ、Make: SFへ行けという啓示が、あちらこちらに見えてきた。そのグループの活動内容は、彼ら自身がこう説明している。「Makerコミュニティへの入口。地元のMakerと仲良くなって、新しい技術を習い、成長しよう」

8月のMake: SFミーティングの様子。会場はサンフランシスコのNoisebridgeハッカースペース。
幸運なことに、ミートアップは数日後に開かれることになっていて、会場も私のアパートから数ブロックの場所にあった。私は開催数分前に会場に到着したので、このミートアップの主催者であるハッカースペース、Noisebridgeの中を見て回ることができた。また、責任者の1人のMalcolmからMake: SFグループの簡単な歴史などを聞くことができた。彼との会話中、私は緊張しながらも、自分がまったくの素人であることを打ち明けた。それに対して、彼は大喜びで、ここがまさに私の来るべき場所であったと応えてくれた。間もなく、部屋には参加者が集まってきた。20人を超える人が待っているにも関わらず、Malcolmは見学ツアーを続けてくれた。そして、参加者全員に、自己紹介と、ここへ来たきっかけを話すよう促した。私は、集まった人たちの多様さに驚いた。アートディレクタ-、アニメーター、アーティスト、不動産ブローカー、ソフトウェアエンジニアなどの男女が混在している。Andrew(別の責任者)が、物を作るのが初めてで、Make: SFに初めて参加した人はと聞くと、半数以上の人たちが手をあげた。私は落ち着いた気分になった。ここは、失敗したり、質問をしても大丈夫な場所なんだと。
dave が初めてハンダ付けを経験した mintyboost。
私たちは3つのグループに分かれて、電子キットのワークショップを行うことになった。私は、iPhoneやiPodに単三乾電池から充電するためのデバイス MintyBoostを作るグループに入った。参加者全員にキットとハンダごてが渡された。それが私の初めてのハンダ付けだった。それは傍目にも明らかだった。何をどうしていいやら、さっぱりわからなかったが、Malcolmが丁寧に説明してくれた。私が失敗したことや、理解できないことがあると、別のグループのメンバーがやってきて教えてくれた(その反対のこともあった)。その夜、私はクールなiPhone用充電器と基本的なハンダ付けの技術と、そして両手に余る新しい友だちを手に入れた。火曜日の夜にしては上出来だ。
Makerたちとより長い時間を過ごすための3つの方法:
1. ミートアップ – 同じ趣味を持つ人たちの会合だ。Makerのミートアップも同じ。私の場合は、地元で開かれていたのでMake: SFに参加したが、同じようなグループは全国にあるはずだ。近所にそうしたグループがないときは、自分で立ち上げてもいい。Make: SFの創設者であるAndrewは、サンフランシスコに引っ越してきたとき、彼が所属していたMake: NYC(今は休止中)のようなグループがないことを知り、自分で立ち上げたのだ。現在、Make: SFは730人以上のメンバーを誇り、80近いイベントを主催している。
2. ハッカースペース – Makerと出会うにはいい場所だ。新しいハッカースペースができたという情報は、日常的に私の耳に入ってくる。地球上のほとんどすべてのハッカースペースは、ここを見るとわかる。ただし気をつけるべきは、どのハッカースペースも同じではないということだ。たとえば Noisebridge(Make: SFのミートアップを主催しているところ)は、TechShopとは形態が違う。Noisebridgeは協同組合型のハッカースペースだ。経験豊かなハッカーたちがハッキングを行うのに適している。それに対してTechShopは、スポーツジムのような形態だ。工作機械を使いたい人、講習を受けたり助言が欲しい人に向いている。
3. ボランティア – Makerコミュニティの間口の広さは他に類を見ない。そこに手伝いスタッフとして参加すれば、驚くほど多くのことが学べる。私たちのような初心者でも、アシスタントとして参加できるプロジェクトやグループはたくさんある。MakeやInstructables.comのサイトを見て、手伝ってみたいと思ったプロジェクトに、何か手伝えることはないかとメールしてみよう。もちろん、Maker Faireやミートアップにもボランティアとして参加できるチャンスがある。
Maker Community Directory は、ハッカースペース、各地のMake:グループ、そのほかの物作り愛好家のグループが数多く掲載されています。
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Maker Shedより
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MintyBoost
新バージョン登場! iPhone 4に対応しました。MintyBoostは、iPodをはじめ、他のMP3プレイヤー、カメラ、携帯電話など、USBに接続できるガジェットに充電できる、小さくてシンプル(だけでパワフル)な USB充電器です。自分だけのMintyBoostを作ろう。ミント缶は含まれていません。
– David Lang
原文