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2012.01.06

Zero to Maker:サイドプロジェクトの襲撃

Text by kanai


ちょっとヤル気のなかったMaker、 David LangがMakerカルチャーに身を沈め、我らの仲間、TechShopの寛大なるご協力のもと、できる限りのDIYスキルを習得していく様子をレポートします。彼は、何を学んだか、誰に会ったか、どんなハードルをクリアしたか(またはしなかったか)など、奮闘努力のレポートを連載します。- Gareth
Makerたちには驚かされる。どれだけのプロジェクトを同時進行させているかを見るにつけ、畏敬の念にとらわれる。ちょっと話がはずむと、たいてい、5つ以上のプロジェクトの構想を暴露される。新しいツールをひとつ見せれば、たちまち、その応用法やそれを使った実験の長いリストができあがる。これこそMakerの気質 (永久に止まらないプロジェクト案のベルトコンベア)であり、生まれながらの体質だ。私は、たったひとつのプロジェクトを考えるだけで精一杯の口だ。だから、苦労して複数のプロジェクトのバランスを取る心配なんてないだろうと思っていた。ところが、それは大間違いだった!
今やっとわかった。East Bay Mini Maker Faireで、OpenROVのブースを訪れたあるMakerからこう言われたのだ。「何が作れるかと考える時期はすぐに終わる。作る時間を捻出する方法ばかり考えるようになるよ」
そのとき私は同意するようにうなずいたが、その本当の意味が理解できたのは、先週の日曜日、ほんの「ちょっとした」サイドプロジェクトに週末を丸ごと費やしてしまい、下手をしたら次の週末もそれで潰れてしまいそうな状況に陥ったときだった。それは先週の木曜日、壁面ガーデニングについて語り合っていたときで、私は、壁面で植物を育てるというアイデアに魅了されてしまった。
Zero to Makerを始める前だったら、あちこちの店やウェブサイトを回って、もっとも安価にあげる方法を探すか、ただ情報を読むだけで終わっていただろう。しかし、今の私は違う! 自分で作り始めたのだ!

私は、園芸に関してもからっきしダメだということを言っておかなければならない。Green thumb(緑の親指:園芸の達人という意味)の反対語があるとしたら、それは「私」だ! 普通に考えて、このプロジェクトの最大のポイントは、どうやって壁に土をくっつけるかだ。私は、壁面ガーデニングの実例ややり方についてGoogleで検索した。そして発見したのは、セラミックの上に草を育てているアーティストたちの例だった。この路線が正解かもしれないと私は思った。私は、Luquid Ceramic(住宅用屋外ペイント)のメーカーに電話をかけて、ペイントに草の種と園芸用土を混ぜ込んで塗ったらどうなるかと、1時間半ほど私の考えを聞いてもらった。それは丁重に否定されてしまったが、私はそのアイデアを諦めることができなかった。
ガールフレンドと、そのプロジェクトとはまったく関係のない話をしているとき、たまたま私はhypertufaという素材のことを知った。これは普通のセメントにピートモスとパーライトを混ぜたもので、バターミルクを塗っておくと苔が生える。壁で植物を育てるという私の本来の目標とは少し離れるが、これを使って壁掛け式のプランターが作れるだろうと考えた。というか、正直言って、私はこれをどうしても試してみたかったのだ。私は鉛筆で必要なものを書き出した。 hypertufaの材料も入っている。コンクリートを固めるための頑丈な型も必要だ。土曜日の午後、型に関するいいアイデアがもらえないかと、私はTechShopに立ち寄った。そして衝動的に板金講座に飛び込み、型作りのための技術を習得した。 その講座は素晴らしい内容だった。その日の午後いっぱいを使って金属加工用工具の使い方を学び、それでどんなものが作れるか、あれこれ思いを巡らせた。型と呼べるほどのものは、そこでは作れなかったが、私は立ち止まらなかった。
日曜日の朝、私は使命を果たすために起床した。私はhypertufaでプランターを作るという大胆な目標をガールフレンドに告げた。まったく唐突な話ではあったが、その週末の私の奇妙な行動を見ていた彼女は、納得して「お楽しみ」に加わってくれた。彼女が私の手伝いをしようと決めた(と私が思った)のは、ただ私が困り果てるのを見たかったからで、私のアイデアに特別な興奮を覚えたからではなかった。必要な材料をちょっと買いに出たのだが、それはサンフランシスコのすべてのホームセンターを巡るの旅になってしまった。必要なものをすべて揃えるのに昼までかかり、私たちは疲れ果ててしまった。ちょっとした楽しいサイドプロジェクトは、いつの間にか直球勝負の本気のチャレンジに変わっていた。この買い出しツアーで、私たちはプラスティックのバケツをいくつか購入した。それは、ちょっと手を加えることで、hypertufa用の型として使える。私が思い描いていた壁掛けプランターの型とは違うが、今の段階ではこんなものだろう。次に私の印象に残ったのは、服とゴム手袋と、ガールフレンドの家の裏庭に設けた作業場を、土とピートモスとセメントだらけになってしまったことだ(写真を撮らなかったことを非常に後悔している)。
土埃(とコンクリート)が収まるころには、私たちはhypertufaを詰めた型を2つ作っていた。すべてを掃除し終え、出来上がった型を見て、私はここまでのことを振り返った。最初に描いた構想から、どんだけ遠くまで離れてしまったのだろうか。壁で植物を育てるという私の馬鹿げた考えは、ペンキに土を混ぜるという、ちょっと恥ずかしいアイデアから、板金講座の受講、コンクリートもどきに膝まで使っての実験、そして最高に楽しい時間。これからも、「次の週末」は必ずやってくる。
更新: 私たちの実験に関して、ガールフレンドからの最新の伝言:「わかんないけど、触ると変な感じ。土をただ固めたみたい。勉強になったってことで、よしとしましょう」そのとおりだ!
これまでの話はこちら:Zero to Makerの旅
– David Lang
原文