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2012.02.24

ビジネスウィークが予測 ─ オープンソースとベンチャー投資家の「文化衝突」

Text by kanai


Bloomsberg BusinessweekにMakerムーブメントの記事が載った。いよいよ主流になりつつある。ベンチャーキャピタルも目を向け始めた。この記事にはお定まりの面々が顔を並べている。MAKE、Maker Faire、Adafruit、MakerBot、DIYDrones(3D Robotics)。一部はコメントが掲載されている。ちょっと意外だったのは、オープンソースとそれを生み出したMakerコミュニティの美徳を褒めそやしたあとに、オープンソースハードウェア(OSH)ビジネス(すべてタダで配ってしまうところ)には本当の金は入らないと警告していることだ。また、OSHは投資家に売り込みにくいとも書いている。前者の警告は、ここでコメントを紹介しているまさにその企業がやってきたことに対立するもので、実際にベンチャーキャピタルの出資を受けた例として紹介しているのはFoundry Groupから1000万ドルの投資を得たMakerBotただ1社だ。さらに、MakerBotのBre Pettisによる、Foundry Groupもそれをわかっているというコメントを載せている。
製造業界を専門とするベンチャー投資企業が否定的なコメントばかりを並べるのは当然だろう。そもそも、彼らが先陣を切ってオープンソースへの投資を積極的に押し進めるなんてことは期待はしていない。Foundry Groupの過去の投資先にはソーシャルネットワークゲームの開発企業、Zyngaがあるが、そうしたところからオープンソースベンチャーへの資金が流れていると思われるのも無理はない。
とは言え、一流新聞や大手ビジネスメディアがMakerムーブメントに注目し始めていることには心強いものを感じる。より広い産業界がこの分野を真剣に考えるようになったのは喜ばしいことだ。
この記事には、Whartonのエコノミスト、Jeremy Rifkinの素晴らしい言葉が掲載されていた。
「Maker ムーブメントには、農業が初歩的な工業化時代に移行したときと同じぐらいの衝撃がある」
やったね。これは、工業時代から情報時代への転換だと言える (投資家諸君、この言葉を書き留めておきたまえよ)。
The DIY ‘Maker Movement’ Meets the VCs
– Gareth Branwyn
原文