Fabrication

2012.11.05

「未来の工場」が今日から

Text by kanai


ニューヨーク市の未来の製造業が、クイーンズ区西部の工場跡地で始まる。昔の製造業の復活ではない。これはまさに産業スケールの出来事だ。オランダを本拠地とする3Dプリントの「市場とコミュニティ」Shapewaysは、2010年からマンハッタンに管理事務所を開いているが、昨日、ロングアイランドのクイーンズに新しい製造工場を開設する計画を発表した。彼らはこれを「未来の工場」と呼んでいる。
この未来の工場には、いくつものクリーンルームと50台を超える業務用3Dプリンタが設備される。プラスティック、金属、セラミック、ガラスなど、さまざまな素材のプリントが可能だ。その可能性を示すために、実際にいくつかのマシンを使ったデモンストレーションが行われ、作品がテーブルに並べられた。その中には、多色刷りや、メカニカルなオブジェクトもあった。
ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長もリボンカットの式典に出席したが、そこで使われたハサミは、まさに3Dプリントされたものだった。ニューヨーク市内での物作りにとって、これはとてもエキサイティングな出来事だった。そこで市長は、ニューヨーク市において、3Dプリントと革新的な製造業を促進するためのコンペを開催すると発表した。このコンペによって、ニューヨークの次なるトップMakersが決定される。協賛企業には、Adafruit Industries、Shapeways、Honeybee RoboticsChallengePost が名を連ねている。

宝飾品、建築模型、機能的オブジェクト、オモチャなどがどこでも作れるようになる未来を想像するのに、もはや想像力は必要なくなった。もうここにあるのだ。クライアントに見せるためのサンプルをひとつだけプリントする場合でも、販売用に何万個もプリントする場合でも、Makerや企業は、それを実現するツールやリソースを使って、ますます力を付けていく。クイーンズの西部に工場を開設するという決断が、周囲にどのような影響を与えるか、今後が楽しみだ。




– Nick Normal
原文