2014.08.04
モノのインターネットをブルーに染める
次なる大きな目玉になるためには、その技術が、アルファギークではない一般の人たちにも使えるものであることが重要だ。
ウェアラブルについては、すでにそのレベルに達しているように見える。サイズ、バッテリーの寿命、コミュニケーションというもっとも重要な三大要素の進歩によって、ウェアラブル機器が、「なんとか使える」段階から、「便利に使える」段階に入ったからだ。私が技術業界に入ったころから、次なる大きな目玉はウェアラブルだと言われ続けて久しいが、このところ、それを予測する声は高まり、耳にする頻度も増えてきた。
Maker Faire Bay Area 2014で講演するDon Coleman
ウェアラブルの実現に大きく貢献するひとつの要素として、Bluetooth Low Energy(LE)規格の人気の高まりがある。Bluetooth LEはデータ転送レートが比較的遅く、実質0.25Mビット/秒程度なのだが、省電力対応に最適化されている。リチウムボタン電池で動くのでウェアラブルデバイスにはうってつけだ。
もうひとつ、Bluetooth LEには「50%問題」の影響を受けないという、競合規格に勝る利点がある。AndroidにもiOSにも対応しているからだ。
Bluetooth Low Energyの概要を語るTom IgoeとDon Coleman。
また、自分でBluetooth LEデバイスを作るのも、AdafruitのnRF8001ブレークアウトボードなどを使ってずっと簡単にできるようになる。ウェアラブル市場をとくに意識したマイクロコントローラープラットフォームもどんどん増えている。さらに、ウェアラブル機器用に作られたLight Blue Beanのような小型のボードも数多くある。
Maker Faire Bay Area 2014で講演するGuido Burger
そうしたボードの中に、Fab-Lab Europeで生まれ、数カ月前のMaker Faire Bay Areaで世界にお披露目された、BlueIOTがある。
ATmega 328PベースのBlueIOTはArduino互換で、加速度センサー、UVセンサー、気圧センサーを内蔵している。このボードの応用例は、from TechBASICとNode Redでたくさん紹介されている。これは、MetaWearのようにブレッドボードで使えるように設計されているが、非常に小さいので、スマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウェアラブル機器にも応用できる。
そして、技術的成熟という最初の論点に戻るわけだ。数年前まで、スマートウォッチのようなものを自分で作ることは不可能だったが、今は、それが可能になった。
– Alasdair Allan
[原文]