2015.06.23
Esquiloとモノのインターネット
Esquiloボード。後ろはオンボードのウェブベース開発環境
「Make:」の記事でよく見るのは、さまざまな新型ボードだ。そのほとんどすべてが、少なくとも今のところ、モノのインターネットの開発を簡単にするということが売りになっている。
今はもうひとつ、はっきりとした傾向がある。それを私は「キッチンシンク」トレンドと呼んでいるのだが、より多くの、またはあまり違いのない無線をボードに盛るというものだ。あるいは、あと1年ぐらいで開始されるか、または開始されないかもしれないクラウドサービスに対応させている。私の記事をずっと読んでくれている方ならお気づきだろうが、私にはこうしたものに対する不信感がある。
私の机の上に届けられる新型ボードをテストするときに注意している点がある。それは「昨日までできなかったこの何をこのボードは実現してくれるのか」を調べることだ。
Esquilo Kickstarterの宣伝文句。
そうした新製品の中でも、Esquiloボードは面白い。キッチンシンク化傾向に即してはいるが、頭ひとつ飛び抜けている。Kickstarterキャンペーンで完全にゴールを達成し、最後の数日ですべての機能を実装できるようになった。それには開発環境も含まれている。
ウェブベースのCloud9開発環境をオンボードで提供するBeaglebone Blackと似ているが、EsquiloはウェブベースのIDEと、ソースレベルのデバッガーとコマンドコンソールを同時にブートする。面白いのは、オンボードのIDEとボード自身に、Esquilo Nestクラウドサービスを通じて、どこからでもアクセスできるという点だ。
「クラウドはIoTを推進するが、それが必須であってはいけないというのが私たちの考え方です。私たちのクラウドサービスは、デバイスの管理と遠隔アクセスポータルとしてだけ機能します」
Esquiloクラウドサービスは、完全な開発環境を提供するものと違って、管理のみを行うものとして効率的だ。これは面白い落としどころだと思う。私は好きだ。
EsquiloボードとFreescale IMUシールド
Esquiloのハードウェアは、Arduinoのフォームファクターと一致するように作られている。ハードウェアには互換性があり、考え得るすべての周辺機器とバスに対応している。しかし、ソフトウェアには互換性がない。ボードはSquirrelを使ってプログラムされているからだ。
コンセプトとしては、SquirrelはどこかJavascriptに似たハイレベルの言語なのだが、Makerの世界で名を上げたい新参ボードがこれを選択するのには勇気がいる。なぜか。まだ一度も見たことがないからだ。それに、Javascriptで作られたボードが突然現れたときと異なり、Esquiloチームはコミュニティを一から作り上げなければならないからだ。
とは言え、有利な面もある。とくにIoTでの利用に関してだ。Squirrelは内部で仮想マシンを走らせることができる。それにより、アプリケーションがクラッシュしたときのリカバリーが容易になる。Arduino畑から来た人にとって、Squirrelのライブラリーは、なんとなくArduinoっぽいのだ。
このボードは、彼らがEsquiloリモートプロシージャコール(E-RPC)と呼ぶ技術と同時に出荷される。これにより、オンボードのセブサーバーをセブアプリとして使ってアプリケーションのフロントエンドが作れる。さらに、それをSquirrelのアプリケーションと簡単に統合できる。ほんの数ラインのコードでヘビーな仕事をさせることができるのだ。<
Esquiloを手に入れたいと思っている人は、急いだ方がいい。Kickstarterキャンペーンは間もなく終了する。
訳者から:Kickstarterキャンペーンは11日に終了しています。
[原文]