2015.09.09
フォームコアでプロトタイプを作る理由
SEAMstudioのLamp Projectは、1枚のフォームコアボードから作られている
フォームコアは、手早くプロトタイプを作りたいときに便利なボードだ。軽くて固くて、簡単に扱えて、何度でもやり直しが利く。カッター、鉛筆、定規といった簡単なツールがあれば、切ったり折ったりが容易にできる。
フォームコアを使って大まかなプロトタイプを作ることは、デザインプロセスにおいて重要部分だ。思考の分散化を使ってアイデアを発展させたいときは、大まかなモデルがそれを可能にしてくれる。手早く、大まかで、繰り返し作り直しができるスケッチにそって試行錯誤が可能となり、コストやエネルギーを使うことなく、最初のアイデアを簡単に形にできる。
フォームコアを切る
常に作業に集中すること。平らなところにボードを置き、切る線上に指を置かないこと。カッターの切れ味をよくしておけば、切り口もきれいで、正確で安全なカットができる。私の場合、しょっちゅう刃を交換している。古い刃は捨てずに取っておき、はみ出したホットグルーの処理などに使っている。
便利なツール:カッティングシート、金属の定規、カッター、T定規
下側の紙1枚を残して切れ目を入れることで、ボードをきれいに折り曲げることができる。
フォームコアを曲げる
下の写真のように、切れ目を何本も入れてやれば、ボードを滑らかに曲げることができる。
この方法を使えば、いろんな形が作れるようになる。去年の夏、STEAMstudio(Brown and RISD STEM to STEAMの学生との協力で行われたコース)にて、フォームコアを使ったプロトタイピングをいろいろ試した。上の写真のランプを作ってみたい方は、ここをクリックしてほしい。
STEAM Studio: 3D Sketching: Foamcore:Brown SPS (Vimeo)
STEAMstudioのフォームコアランプのテンプレートはPDFで公開されている
フォームコアの接着
接着の方法も、どれほどの完成度でプロトタイプを作るかによって違ってくる。大まかなプロトタイプなら、ホットグルーが手早くてよい。
まち針を使うと、部品同士を仮止めしておくことができる。ホットグルー、マスキングテープ、ネジなどで固定したあと、針を外す。
完成度を高めたい場合は、切り口や接着方法がより重要になってくる。立体を作るときは、切り口をどのように見せるかを考えなければならない。折り曲げやパーツの作り方を工夫すれば、細かいところまできれいに仕上げることが可能だ。上の例で、電球のソケットの取り付け方法に注目してほしい。電球を取り付けるだけでなく、それが接続方法となっており、全体をつなぎ合わせている。
エレクトロニクスを埋め込む
私が教えているロボットデザインコースでは、フォームコアを使ったプロトタイピングが必須で、大まかながら、実際のモデルのように動き、そのように見えるものを作っている。厚紙などその他の材料と同じく、フォームコアも重ねて接着して立体を作ることができる。そこに、サーボなどのパーツが埋め込める。
フォームコアはコンセプトの実証に大変に役に立つ。授業で作ったこのテレプレゼンスロボットもそうだ。タブレットとルンバを使って作られているのだが、学生がフォームコアを使って、手早く、実際に機能するプロトタイプを作った。これにより、人はどのようにこのロボットと接するかが見えてきた。そして、次のイテレーションにつながる問題点を提示してくれた。
その後のイテレーションでは、さまざまな技術や素材を組み入れることができる。私たちは、スマートフォンとサーボモーターでデザインを発展させた。これは、ロボットがどのように周囲の環境とインタラクションするのかを教えてくれた。
さらに進めて
私たちは、大まかなプロトタイプをいくつも作り、ロボットを発展させていった。フォームコアは、デザインのモックアップを素早く作れて、総合的なフィードバックを与えてくれるほか、その先のイテレーションでは、そのままレーザーカットしたアクリル板など、別のより恒久的な素材に置き換えることができて便利だ。イテレーションは、その都度私たちに新しい問題点と、適切な素材を示してくれる。そうして問題点はさらに煮詰められていく。
フォームコアのほか、さまざまな素材を使った大まかなプロトタイピングに関しては、STEAMstudio.comを見てほしい。
[原文]