David Neatのblog of modeling tips(モデリングのコツブログ)に、こんなコメントが載った。「モデリングサイトの聖杯を見つけたような気分だ!」と。DavidのシンプルでわかりやすいWordPressブログは、質、量ともに、見た目よりもはるかに充実している。Davidはモデル作りの本を書いたり教えたりしているのだが、このサイトの内容は、彼の本、教室、レクチャーの集大成だ。
そこには、モデリングの製図方法から材料、モデリング技術(一般的なものから専門的なものまで)などなど、山ほどの情報がある。さらに、モデリング用語集まである。ほとんどは建築模型やセットの装飾に関するものだが、どんなタイプの建築や風景のモデリングにも応用できる。私も数多くのモデリングサイトを見てきたが、これほど深く、厳密で、価値の高い内容のサイトは滅多に出会えない。今後、私もこのサイトで多くの時間を過ごすことになりそうだ。
このサイトで、非常に便利なシリーズのひとつに、「Methods -> Making Realistic Models」がある。そのメニューには5つの充実したモデリングチュートリアルが含まれている。ここでは、それぞれのチュートリアルからテクニックひとつずつを紹介しよう。
真っ直ぐでないものの接着
もうひとつ、接着の技を含むセットアップの方法を。これは、液体が狭い場所に入り込む性質(毛細管現象)を利用したものだ。写真にあるような、カーブしたシートを接着したいときは、正しい位置にシートを配置して、後から、そのつなぎ目に接着剤を流し込むのだ。ここでは、スチレンプラスティックのシートをプラスティックのゆるい溶剤で接着しているが、瞬間接着剤でもよい。また、紙にもこのテクニックは応用できる。
リンク: Main Construction
素材の上にテンプレートを直接スプレー糊で貼り付ける
塩ビフォームには、直接鉛筆で線が描けるが、私はプリントした型紙をそのままスプレー糊で貼り付けて、その上から切り出している。たくさん切り出さなければならないときは、このほうが時間の節約になる。また、オリジナルを大きなスケール、たとえば1:10とかで描いておいて、それを1:25(40%)に縮小してプリントして使うということができる。私は、ほんの少量のスプレー糊を使うようにしている(3Mの青い缶)。最後に簡単に剥がせるようにだ。上の写真は、3つの椅子のパーツを切り出しているところ。座面と前の脚はすでに切り出されている。私が、内側の線から切っていることに気づいてほしい(中から外へ作業を進める)。そうすれば、いちばん最後の部分を切るまで大きなフォームの板に固定されているので、抑えておくのも楽だ。ひとつ難点を言えば、塩ビは瞬間接着剤でしか接着できないという点だ。瞬間接着剤を嫌う人も多い。接着した後から位置を調整するのも難しい。
リンク: Fine Construction
液体でモデルメイキング
主となる技(Polycell “Fine Surface” Polyfilla[水溶性の充填剤]を使用)は、細いノズルが付いて、中の液体を押し出せるようになってい小さなプラスティックのボトルの中にある。どこにでも売られているはずだ。写真のものは1ポンドショップで買った。これに、あらかじめ別の容器で少量の水で溶いておいたPolyfillaが入れてある。通常は、厚く盛らなければ1〜2時間で硬化する。私がPolyfilla溶液を好むのは、いろいろな素材で試しても、縮むことが少ないからだ。またいちばん早く固まる。厚塗りをしたいときは、何層かに分けて塗るとよい。
特別なテクスチャ用ツールを作る
Super Sculpey(モデリング用ポリマー粘土)を使えば、さらに特殊な素晴らしいツールを作ることができる。私は、上の写真のような石組みを作るためのツールを作った。それを、しっかり固くなるように、オーブンで最大時間焼いた(ホットエアーガンは使わない)。
リンク: Creating Surfaces
レンガに着色する
この壁の部品には、Kapaラインフォームを使っている。まずは、暗い色ではなく、砂っぽいモルタル色で下地を塗った。そうすることで、目地がよく見えるようになる。そして、薄めたアクリル塗料を、豚毛のブラシを使って塗っていった。こうすることで、下の写真のように、2つの色をランダムな感じに塗ることができる。これだけでも十分にリアルなレンガの壁に見えるが、これにサンドブラストを行うとさらにリアルになる。きれいになって、色が均一になるのだ。
リンク: Painting
Davidのモデリングの知恵を授かりたい人は、彼の著書「Model-Making: Materials and Methods」を見てほしい。
[原文]