一般のグラスアーティストと違って、Jack Stormsは冷えたガラスを使う。溶かしたガラスを拭いたり型に入れたりはせず、彼は冷えたままのガラスを旋盤にかけるのだ。通常の作業に比べて時間も技術も必要なうえに、まずは冷たいガラス用の旋盤を開発するところから始めなければならなかった。その機械のヒントは、花崗岩の州として知られる彼の故郷ニューハンプシャーにあった。花崗岩を旋盤で削れることに彼は驚いた。そして、ガラスでもできるはずだと考えたのだ。
Stormは、大きなクリスタルガラスの塊から作業を始める。それを切削し、二色性ガラスを挿入して色つきの層を作る。それをエポキシで固める。ガラスの外側の層の効果によって、クリスタルガラスは浮かんで見える。
こうしたユニークな表現方法に、Stormは黄金比とフィボナッチ数列を採り入れており、作品には鋭く尖った感じがある。この目を見張る作品の形状は、ワインボトルの彫刻からViviOvoと呼ばれるクリスタルの卵までと幅広い。今でも彼は、作品のみならず、それを生み出すツールの改良に余念が無い。「旋盤の調整は、アートをさらに高めるためのゴールには、まだまだ到達できません」と彼は話している。
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