Crafts

2018.08.10

[MAKE: PROJECTS]インスタ映えするパーティー用の光るヒール

Text by Angela Sheehan
Translated by kanai

Shoes_Feature_Vertical

私は、着て行く服が決められずにいつもパーティーに遅刻するタイプの人間だ。そして私は、パーティー用の手の込んだあるプロジェクトを最後の最後まで作り込んでいる人間だ。それを私は「インスタ映えヒール」と呼んでいるのだが、デザインから製作までを1週間以内で終わらせ、SparkFun Electronicsホリデーパーティーに履いていった。

ヒールに取り付けたLEDは、AdafruitのBluefruit LE Connectという無料アプリを走らせたブレスレットから無線でコントロールできる。状況に応じて、即座に色を変えられるのだ。スマホからでも色が変えられるという魔法の効果によって、パーティー会場の他の人たちにもアクセスができ、自分に合った色に変えてもらうことができる。

ちょっとの時間と忍耐力があれば、作るのは簡単だ。それでパーフェクトなパンプスが手に入る。

1. コードと機能の概要

Bluetoothの設定はAdafruitのチュートリアルを見れば簡単にできる。私は、Bluefruit LEボードのサンプルにあったControllerのフレームワークを土台にしている。ブレスレットには、AdafruitのBluefruit LEアプリに組み込まれているColor Pickerを使っている。これでLEDの色を変える。このアプリ(AndroidとiOSに対応)では、一度にひとつのBlurtoothデバイスにしかペアリングできないため、私は安価な短距離用RFM69トランシーバーを使い、ブレスレットから両方の踵に色情報を無線送信するようにした。これなら、プログラムを大量に書くことなく、複数のコスチュームを同時にコントロールできる。私は、SparkFunのRFM69接続ガイドをコーディングと追加の無線送信機能の構築の参考にした。とてもわかりやすく説明されている。

起動すると、ブレスレットのFlora BluefruitモジュールがBluefruitアプリとの接続を待機する。ペアリングが成立し、スマホアプリのControllerメニューを開くと、Color Picker機能がカラーホイールを表示するので、スマホの画面で色が選べるようになる。Send(送信)ボタンを押すと、色の値(RGB)がBluetoothでブレスレットに送られる。

App_Screenshot

ブレスレットは、送られてきた色の値を変数として格納し、それをRFM69トランシーバーでヒールに送信する。色情報は、AdafruitのNeoPixelライブラリーを使って、ブレスレットのNeoPixelリングにも表示される。

FigureA_Option3

ヒールが値を受信すると、柔軟なLEDパネルの色を、NeoPixelライブラリーのColorWipe()関数を使って更新する。LEDパネルのメーカーによっては、マトリックスのオリジナルのピクセルをコードで調整する必要がある。

注意:これらのLEDパネルは大量の電流が流れる可能性があるので、電流を抑えて電池の持ちを良くするために、NeoPixelライブラリーでパネルの輝度を低く設定できるようコードが組まれている。NeoPixelマトリックスの使い方に関する詳細は、AdafruitのNeoPixel Uberguideを見て欲しい。adafruit.com/adafruit-neopixel-uberguide

コードに関する詳細と、最新のプロトタイプは、github.com/GellaCraft/InstaHueHeelsでダウンロードできる。

2. 靴を選ぶ

エレクトロニクスが組み込みやすく、うまく隠せるような靴を選ぼう。私は7.6センチのブロックヒールタイプの靴を使った。これが、フレキシブルLEDマトリックスパネルがよくフィットした。これだけの高さがあれば、1200mAhのLiPoバッテリーを内側に取り付け、歩いても支障がないだけの、地面からの余裕を持たせることができる。

FigureB

3. パネルを取り付ける

まず、ヒールの後ろ側にLEDパネルを慎重に巻きつけ、合わせてみた。余計な出っ張りをなくすために、最初からハンダ付けされていたコネクターを外し、シリコン被膜のより線に付け替えた。配線がヒールの一部であるかのように見せるために、黒い線を使い、先端に色つきの熱収縮チューブを付けて区別できるようにした。

クラフト用ボンドE6000を使ってパネルと配線をヒールに貼り付け、ヒールと土踏まずとの間の角に配線が集まるようにした。パネルがずれないよう、小さなクランプで固定して24時間放置した。

FigureC

4. ハードウェアを組み込む

LEDパネルはQduino Miniで制御することにした。電源スイッチ、microUSBコネクター、LiPoバッテリー充電回路が搭載されているからだ。これにより接続するハードウェアの量が減り、取り付けに必要なスペースも小さくできた。

FigureD

Qduinoは土踏まずの位置にきれいに納まってくれた。いつでもスイッチを入れられるように、スイッチとUSBポートは外側に面している。Fritzingにはブレークアウトボードしか用意されていなかっため、回路図は実際とはちょっと違う。

RFM69トランシーバーをテストするために、まずはブレッドボードで回路を組んでみた。コードを調整して機能を確認すると、すべての接続をハンダ付けして、パーツを靴の土踏まずの位置に貼り付けた。RFM69のアンテナは、誤ってつま先で踏んづけてしまわないように、足の甲の側に這わせた。

FigureE

これが全体の配線図。

注意:回路にはLilyPad Buttonも追加した。将来、ブレスレットからの無線信号に依存することなく、マニュアルで色やモードを切り替えられるようにするための準備だ。

プロジェクトのテストを行った後、ハードウェアとバッテリーを、土などの汚れから簡易的に守るために、ガファーテープで覆った。今のところ3晩程度は保っているが、もっと耐久性を高めるために、エレクトロニクスを保護するカバーを、たぶん3Dプリントで作ろうと思っている。パネルの端もガファーテープで覆い、土などが隙間に入り込まないようにしてある。

5. ブレスレットを考える

ブレスレットは、もっともチャレンジングで楽しい工作となった。ブレッドボード上でプロトタイプを作った後、腕時計のように手首に装着できるコンパクトなウェアラブルコントローラーに仕上げた。

スペースを節約するために、QduinoではなくPro Microを使用し、バッテリーはブレスレットのバンドに移動した。Blurtoothには、Flora Bluefruit LEモジュールを使用した。丸くて、LEDを16個使ったNeoPixelリングにピッタリ合うからだ。これが腕時計の文字盤のような形になり、一目を惹く「ステートメントピース」となった。RFM69トランシーバーが両方のヒールに値を送信する。私はそこに、3段切り替えのナビゲーション・スイッチを追加した。将来、これで簡単にモードが切り替えられるようにする予定だ。下の配線図を見て欲しい。

FigureF

6. ブレスレットを組み立てる

プロトタイプを行い、バッテリー以外のすべてを収めるケースをレーザーカットした。クラフトの店で見つけた金色のペンダントを、ケースのカバーに使っている。

FigureG

いちばん上のレイヤーにはNeoPixelとFlora Bluefruit。中間のレイヤーにはナビゲーションスイッチを組み込んだアクリルのスペーサー。中央が空いていて、上下のレイヤーの配線が収まるようになっている。そしていちばん下のレイヤーにはPro MicroにRFM69を重ねたものが配置されている。これには、RFM69の配線とアンテナを収めるための溝が掘られている。

FigureH

Pro Microの上には絶縁テープを貼って、上に重ねたRFM69がずれないようにしてある。

ハンダ付けにはちょっと頭を使った。ケースの中の配線をできるだけ少なくするために、すべての線をできる限り正確に切るのが、かなりチャレンジングで面白かった。

すべてが組み上がったら、腕につけている間に部品がずれてしまわないように、ホットグルーで固定した。

FigureI

7. 最後の仕上げ

モジュールをブレスレットにするために、黒いベルベットのリボンと金色の磁石の留め金を取り付けた。金色のリングの内側には、透明アクリル板をはめ込み、ハードウエアを保護している。LEDの白いプラスティック部分は黒く塗って、全体に馴染ませた。最後に、LilyPad Simple Powerボードを留め金の近くに取り付け、バンドの裏側にポケットを付けて、そこにバッテリーを入れるようにした。

FigureJ

この先の計画

Shoes_Finished_Option1

インスタ映えするヒールの最初のバージョンは、LEDマトリックスの色が上から下に変化するカラーワイプ効果を表示できる。これだけでも、見た人たちは大喜びしてくれる。

プログラムをちょっと工夫すれば、複雑なアニメーションやいろいろなモードを表示させることができ、それらをナビゲーション・スイッチで切り替えられるようにもできる。私は、きらびやかなパターンや、左右のヒールで対照的なアニメーション、もっと面白いものを表示させたいと考えている。

Shoes_Feature_Horizontal

私のウェブサイトに最新の機能に関する情報とコードを掲載している。製作中の写真やデモ動画も見られる。

作ったらぜひ見せてね!

参考情報

[+] コードとテンプレート Github
[+] 製作中の写真
[+] SparkFun RFM69 接続ガイド
[+] Adafruit Flora Bluefruit LE ガイド
[+] Adafruit Bluefruit LE 接続ガイド

材料
・Pro Micro Arduino(3.3V/8MHz)SparkFun Electronics #12587, sparkfun.com
・RFM69HCW無線トランシーバーモジュール(915MHz)SparkFun #13909
・Flora Wearable Bluefruit LEモジュール Adafruit #2487 adafruit.com
・NeoPixel Ring(16×5050 RGB LED)Adafruit #1463
・表面実装ナビゲーション・スイッチ SparkFun #8184
・LiPoバッテリー(3.7V 400mAh)SparkFun #13851
・LilyPad Simple Power SparkFun #11893(または同等のスイッチ付きLiPoコネクター)、私はスタジオに余っていた古いタイプのもの(SparkFun #10085)を使ったが、新しいものには充電回路が搭載されているので便利。
・シリコン被膜のより線(私は30AWGを使用)
・単芯のリード線(無線アンテナ用に約7.8センチ)
・5センチ幅のリボン
・磁石式の留め金
・飾りのリング NeoPixelリングをクラフト店に持っていってうまく合うものを探すか、最初から自分で作ってもよい。
・5mm厚アクリル板(オプション) ブレスレットのケースを作る場合に使用。
・7.6センチのブロックヒールの靴1足(手順の2を参照)
・Qduino Mini Arduino(2個)SparkFun #13614
・RFM69HCW無線トランシーバーモジュール 915MHz(2個)SparkFun #13909
・Flexi8×8 NeoPixel RGB LEDマトリックス(2枚)Adafruit #2612、またはAmazon #B07418JSWD
・LiPoバッテリー(3.7V 1,200mAh)2個 Adafruit #258
・シリコン被膜のより線 私は30AWGと24AWGを使用した。
・リボンケーブル(オプション) RFM69とQduinoの接続用。
・単芯のリード線(7.8センチ)2本 アンテナ用
・E6000ボンドまたは靴に使用できる接着剤
・靴の色に合ったガファーテープ

原文