National Week Of Making(全米メイキング週間)が始まった(日本語版編注:この記事の原文は6月17日に公開されました)。オバマ大統領は公式の声明を発表し、これがアメリカの国民の行事となった。これより、6月17日から6月23日までは、National Week Of Makingとなる。今週末はNational Maker Faireが開かれ、アメリカ中からいろいろな発明品を見せにMakerたちが集まってくる。入場料は無料だが、事前にチケットを手に入れてほしい。
以下はオバマ大統領の声明だ。楽しんで読んでほしい。
アメリカ合衆国大統領による声明
産業革命とデジタル革命をこの国に引き起こした同じ改革と起業のアメリカン・スピリッツ、そして私たちを深海や太陽系の遠い惑星へ導いた精神が、新しいアイデアや発見を通して、私たちにこの世界を再考することを可能にしました。昔から、Maker、アーティスト、発明家たちが、この国の経済を牽引し、よりダイナミックで相互接続した社会を築くために、リスクを負い、協力し合い、才能を引き出し、想像する生活を形作ってきました。National Week Of Makingにおいて、私たちは全アメリカ人の創造的な自信を取り戻すために再びそこへ参加し、人々の情熱を導き、私たちの星が抱える大きな問題に取り組むために必要な技術、精神、情報を提供し合いましょう。
今日、あらゆる世代のアメリカ人は、成長を続けるMakerムーブメントを通してつながり、自らの創造性を教え合う能力を手にしました。3Dプリンターやデスクトップ工作機械などにより、製品の生産価格は急速に安くなっています。また、クラウドファンディングのような新しい資金源によって、事業開始のためのハードルが下がっています。そして、技術の民主化によって、より多くのMakerが力を得て、起業家精神が後押しされ、アメリカの製造業は刺激されています。この6年間で、製造業において80万件もの雇用が増え、次世代型の製造業ハブを導入できました。パーソナルコンピューターやインターネットが、この数十年間のアメリカを変革したように、こうした新しい機会が次世代の学生、発明家、起業家を刺激し、私たちの創意工夫の伝統を前に進めることとなるでしょう。
2014年、あらゆる世代の、あらゆる経歴の、より多くのアメリカ人に、デザイン、製作、製造を行う機会を与えようと、私はNation of Makers(Makerの国)イニシアチブを開始しました。私の政権は、「Makerのマインドセット」を育むための一歩を踏み出し、創造的な問題解決などのスキルを実らせ、Makerや製造者たちの大胆なアイデアが現実になるよう協力的なMakerスペースの立ち上げを支援してきました。この取り組みに、アメリカ中の多くの人たちが参加してくれていることを、私は誇りに感じます。市長たちはMakerの会議やタウンホールミーティングを主催し、連邦機関は、学校、図書館、リクリエーションセンター、美術館などと協力して、学生たちがデザインプロセスを学べるように、Makerスペース、カリキュラム、ツールを作っています。民間企業やその他の地域団体も、会社を設立して製品を売り出すための起業情報やスキルを提供して、個人を応援しています。
私たちは共にこの機会を押し広げなければなりません。すべての世代が結集して、デジタル格差、また既存技術や自信の喪失を食い止めるために力を合わせるのです。将来職業に就く若い人たちに、問題解決に必要な分析技術と、この革新的経済に力を与えるコンピューターサイエンス、ハードウェア開発技術を身につけさせることも必要でしょう。それには、公式、非公式な教育環境において、実際に手を使う科学、技術、工学、そして数学(STEM)の教育の支援が不可欠です。それらを学生たちは、モノを作ることを通して学びます。それは彼らの可能性の制限を取り払い、明日の職業への情熱に火を点けるのです。私たちがSTEM教育と行動的な学習への投資を優先的に考えるのはそのためです。コンピューターサイエンスのような高度なSTEMコースへの入口を広げ、それをもっとも必要とするコミュニティでその機会を増やし、女性やマイノリティなどの少数派の人々をSTEM分野に呼び込み、その多様性を高めるのです。
この国では、アメリカ人はあらゆるタイプのMakerイベントやワークショップに参加しています。小さな街のスタジオから首都の街角まで、驚くべき発明品やアイデアを互いに教え合い、そこに参加したすべての人たちにクリエイティブな刺激を与えています。こうしたアメリカ人の創意工夫の力を讃えるとともに、私は多くのコミュニティを集め、人々をクリエイターとして育てることで、そして、共に活動し、アメリカ人の生活、仕事、遊び、学びのあらゆる場所でモノを作るスペースを利用できるようにすることで、この動きをさらに発展させます。今週、今日のスケッチや夢を、明日の「メイド・イン・アメリカ」のラベルにしましょう。そして、私たちのDNAに組み込まれた人類の好奇心を生む大胆な精神を活かしましょう。
そのため、私、アメリカ合衆国大統領バラク・オバマは、合衆国憲法および連邦法によって与えられた権限に基づいて、ここに、2016年6月17日より6月23日を、National Week Of Makingと定めます。すべてのアメリカ人はこの週、その才能、ソリューション、スキルを分かち合う新しい世代のMaker、製造者を励ます催し物、セレモニー、祝賀会、活動を開催するよう求めます。
その証として、私は、この2016年、アメリカ独立より240年後の6月16日、署名いたします。
BARACK OBAMA
[原文]