Electronics

2016.09.09

Joule — Intelでもっともパワフルでもっとも汎用性の高い開発キット登場

Text by kanai

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「Intel」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。世界的な超巨大企業か、それともノートパソコンに貼ってある小さなステッカーか。Intelはずっとコンピューター用のプロセッサーを作ってきたが、常に技術トレンドの頂点に立っていたいと考えている。開発コミュニティもその中に含まれる。Intelが作るプロセッサーは、すでにもっともパワフルでもっとも汎用性が高いとされているが、Intel Developer Forumによれば、最新チップモジュール、Jouleが発表されたという。これは開発者向けの非常に小さなボードで、KinectのようなカメラシステムであるIntelのRealSenseを動作させるのに十分な性能がある。ロボティクス、VR、IoT、拡張現実といったコンセプトの実験にパーフェクトなチップだとIntelは主張している。

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Joule開発ボードは25セント玉と同じ幅の大変に小さなもので、コンセプトのプロトタイプから製品化へと、時間と予算を節約しながら、素早く移行できる。IntelのJouleはメモリーとストレージも豊富で、4Kのビデオキャプチャーや表示、さまざまな高速物理インターフェイス、幅広いOSに対応できる。Joule Kitには2つのバージョンが用意される。550xは、1.5GHz クアッドコア Atom T5500、3GBのRAM、8GBのストレージを備える。570xは、1.7GHz クアッドコア Atom T5700 CPU、4GBのRAM、16GBのストレージを備えている。そしてどちらも、ノートパソコンクラスの802.11AC無線機能、Intelグラフィックス、LinuxベースのOSを搭載している。

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これは、なんとなく技術に興味がある程度の人向けではない。有効に活用できる時間と予算と場所とアイデアを持っている人のためのものだ。ソフトウェア面では、JouleキットはさまざまなOSプラットフォームに対応する。デフォルトは、Reference Linux OS for IoTとIntelが呼んでいるLinuxの特別版となる予定。CannonicalのUbuntu Coreにも対応する。Microsoftが好きな開発者のために、Windows 10 IoT Coreにも対応する。こうした仕様からも想像できるように、これは相当に高い知識を持つ開発者に向けられたものだとわかる。

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一部の企業では、すでにJouleのテストを行っている。Microsoftのコンパニオンロボット、Bambooは、糖尿病を患う子どもに血糖値の測定を促す。フランスの企業、EyeLightsは、Jouleを使って警察官用ヘルメットのヘッドアップディスプレイを作っている。さらに日本では一歩前を行っている。ロボットメーカーのVStoneでは、高齢者向けコンパニオンロボットの画像認識と会話機能にJouleを使っている。なぜ日本が進んでいるのか? しかし、これから誰がJouleをどう使うかわからない。アメリカでも素敵なロボットが生まれるかも知れないのだ。

現在購入できるのは、ひとつのモデルだけだ。Joule 570xが369ドルで販売されている。550xの価格はまだわからない。まずはIntelのDeveloper Forumに販売が開始され、その翌月から、パートナーを通じて発売される。Intelの以前のチップは、SDカードサイズのミニコンピューター、Edisonだが、Intelは、よりよく、より速く、より効率的なテクノロジーを要求する声に応えようとしている。彼らはコンピューターの世界だけでなく、未来のあらゆる高度技術と取り組んでいるのだ。— Jouleに関する詳細はこちら

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