Crafts

2017.02.10

Behimoth:『Mad Science』の著者が作ったナードなキルトを編む巨大ロボット

Text by kanai

ソフトウェアイノベーターとなってMakerとなった科学者、Theodore Grayの作品は、Periodic Table Tableや彼のベストセラー本でありアプリでもある「The Elements(元素図鑑)」がそうであるように、つねにナードな雰囲気がある。(日本語版編注:Theodore Grayさんは『Mad Science』の著者でもあります)

近年、Grayはそのナードな面を、化学的、数学的な大きなキルトを編む方向に向けていた。2015年、Grayと彼のガールフレンドで映画監督のNina Paley(Sita Sings the Blues
Seder-Masochism)はPaleGray Labsを立ち上げて、彼らが製作したテキスタイルの宣伝と販売を行うことにした。

このキルトは、「Behimoth」と彼らが呼ぶ巨大なキルティングロボットによって縫われている。Quilt Master IVは、1分間に1,500針を縫うことができるフルフレームのキルトプロッターだ。キングサイズのベッドと同じぐらいの大きさの細密なキルトを一度に縫える。Behimothが動いている間は、家からでもStitch Camを使ってモニターができる。

animated-horse-quilt

当然のことながら、GrayとPaleyのデザインは彼らの興味を反映している。それには、Paley が「embroidermation」(刺繍アニメーション)と呼ぶ技術を使ったキルトによるアニメーションも含まれている。マイブリッジの有名な馬のアニメーションもそうだ。高速で続けて見るとアニメーションになる。

Molecule-Quilt

ケミカルキルトは、カフェインやテオブロミン(チョコレートの有効成分)のような人気の分子をテーマにしている。好きな化学物質をテーマにしたキルトを特注することも可能だ。

Pi-Quilt

数学キルトには、円周率をテーマにした大小のバージョン(サイズによって桁数が変わる)や、フィボナッチ数によって無限の中に消えていく輝く螺旋(Fibonacci Sequins)がある。

Fibonacci-Sequins

キルトには、正方形ひとつからなるものや、壁掛けに適したパネル状に並べたものがある。PaleGray Labsのウェブサイトで注文可能。価格は100ドルから。

原文