Electronics

2017.06.22

貴重な古い科学映画で学ぶハンダづけ

Text by Takumi Funada

NPO法人 科学映像館がYouTubeで公開している昭和の科学映画が面白い。原版フィルムから丁寧にデジタル化されており、画質も良好だ。

いま見ていたのは「はんだづけ」という作品。一種のチュートリアルビデオ。1960年頃の作だろうか。ただテクニックを伝えるのではなく「なぜそうするのか」まで踏み込んだ説明になっていて納得できる。電気ゴテだけでなく、炭で加熱する焼きゴテの話もでてくる(塩化亜鉛液をペースト代わりに使いバケツやトタンをハンダづけする)。学ランの中学生がもの凄く大きいコテを持ってラジオを作っている様子が昭和中期の日本の様子を偲ばせる。

MAKE読者が興味を持ちそうな映像は「はんだづけ」以外にもたくさんある。「電子の技術ーテレビジョン」(東京シネマ1961年)は松下電器産業の協力の下、テレビの原理、製品化、品質管理、そしてカラー・テレビの出現への道筋を描いている。「電子計算機 ―機能と構成のあらまし」(日本科学技術映画社)も良い。とくに磁気ディスク装置のヘッドがニュッニュッと動くシーンでは声が出そうになった。

動画を探すときは、YouTubeよりも科学映像館の検索機能を利用するほうが良さそうだ。エレクトロニクス分野だけでなく、多くの興味深いカテゴリーが用意されている。科学技術以外の社会問題や芸術芸能といった分野の映像もたくさんある。

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