2017.06.16
Micro:bit財団のCEO、Zach Shelbyが語る子ども向け教育イニシアティブ
昨年、BBCは素晴らしいプロジェクトを実現した。小型の組み込み型コンピューターを英国中の100万人に近い小学生に配布したのだ。その目的は、すべての子どもたちにデジタルな創造性を芽生えさせ、彼らにコーディングを体験させることで、STEM関連の職業への関心を高め、技術に対する自信を身につけてもらうことにある。
BBC Micro:bitと呼ばれるこの手の平サイズのコンピューターには、ARM、Bluetooth、MEMS方向センサーが搭載され、子どもや教師にも簡単に使えるウェブの開発環境が用意されている。
1980年代、私がミシガンに住んでいたころ、8歳でCommodore 64と出会い衝撃を受けた。最初は雑誌に掲載されていたコードを1行ずつ打ち込んでゲームをプレイし、その後は自力でゲームを作ったときは、とても充実感に溢れていた。それがもとで、私は電子回路やラジオを学ぶようになり、今はIoTのエキスパートとして、スタートアップ起業家として成功している。
昨年の夏、私は、BBC Micro:bitを世界中に広めるための非営利団体、Micro:bit財団を設立して、その責任者になるという大きな好機に恵まれた。将来、すべての子どもたちが発明家になることを私は夢見ている。そのために、私たちは技術者として、Makerとして、未来の難問を子どもたちが解決できるよう、確実に技術を伝える必要がある。
財団を立ち上げるまでの道のりは、驚きの旅だった。私たちのウェブページは、10カ国語以上の言語で提供されている。ヨーロッパとアジアの5カ国では、国立学校が参加を表明している。現在はアメリカでも入手可能だ。
組織を構築して世界規模のインフラを整えるのは(創設までの期間はわずか3カ月)、大変なことだった。スタートアップを支援してきた私の経験がここで活かされた。だが、プロジェクトの規模は格段に大きく、教師と子どもたちが私たちを信頼して毎日の学習に役立ててくれるようになるためには、新しい考え方、緊密なチームワーク、30ものパートナーとの懸命な努力が必要だった。
Micro:bitのよいところは、その周囲に広がったコミュニティにある。世界中の教育者、子どもたち、企業、技術者、そしてMakerたちが、ボランティアとして時間を割いて、学習教材を作ったり、プロジェクトのアイデアを出したりしてくれている。また彼らは、私たちが育て普及させてきたMicro:bit技術そのものにも貢献している。先日、16歳のMicro:bitユーザー、Ross Loweに会って大変に励まされた。彼は、Micro:bit用のアクセサリーや学校向け教材を作るスタートアップを立ち上げたのだ。
MakerたちがMicro:bitで次に何をしてくれるか、とても楽しみだ!
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