2018.08.10
「micro:bitでつくってみよう!コンテスト」Maker Faire Tokyo 2018にて表彰式が行われました
4月~6月にかけて作品募集を行い、7月上旬に受賞者発表となった「micro:bitでつくってみよう!コンテスト」。日本国内で開催されるmicro:bitを使ったコンテストとしては(たぶん)初となる、このコンテストのグランプリと優秀賞の表彰式が、8月5日(日)に、Maker Faire Tokyo 2018の会場内で行われました。
表彰式では、賞品の授与を行い、また、受賞者の皆さんから作品に対する思いをそれぞれ語っていただきました。
四国からいらっしゃったグランプリ受賞の泉保宗也さん。なんと、受賞作品を壊さないように運搬するための専用ケースまでダンボールで自作されたとのこと! 受賞作品「マイクロビット・メイズ」は、2台のmicro:bitを、リモコンと駆動部分の2か所に使い、昔ながらの迷路ゲームを実現。「3Dプリンタで作ろうか迷った」とのことですが、本体はボール紙の工作で作られており、手触りも温かみがあって好評価でした。
優秀賞(Kids&Family部門)受賞のこうき&ひろさん。親子で受賞作品をデモしてくださいました。受賞作品「Kaze-Con 綿毛の旅立ち」は、micro:bitと空き缶などの材料で作った工作とPCで、タンポポの綿毛飛ばしを表現しています。なぜ、この作品を作ったのか?について、「3歳の弟と一緒に散歩をしているとき、よくタンポポの綿毛を見つけてふーっと吹いて遊んでいたのだけど、春が過ぎていくとタンポポがなかなか見つけられなくなったので、いつでも吹いて遊べるようにしたいなと思った」と、エピソードを語ってくれました。
優秀賞(一般部門)受賞のcarcon999さん。受賞作品「kira:bitソード」は、振るとLEDの残像で絵や文字・模様が描ける剣型のトイ。投稿したときから作品が進化しており、自分で書いた絵や模様をスマートフォンで読み取って、kira:bitソードで表示するような機能も実装しているそう。「光る剣を振りたい!」という、男子も女子も一度は抱く夢を実現してくれる作品でした。
優秀賞(YoungMaker部門)のRUKIさんは、残念ながら表彰式は欠席でしたが、作品を出展してくれました。野球部所属のRUKIさんは、自分のスイングが安定しているかをチェックしたいという思いから、受賞作品「目指せ安定したスイング」を作ったそうです。見た目はmicro:bitにバングルモジュールを組み合わせただけですが、実用的で、自分の向上心のためにmicro:bitを活用しているところに心打たれました。ちなみに表彰式欠席の理由は、野球の練習があるため、とのこと。納得!がんばってください!
今回、表彰式の対象ではありませんでしたが、2日間ずっとブースで作品のデモをしてくださった、特別賞受賞のMakeLunaさん。受賞作品の「自動組紐製造機」は、さまざまな色の糸を指定したパターンで組んでいく組紐づくりをmicro:bitで実現。「製造機器でモノが作られていく様子をずっと見ているのが好きだった」ことから、本作品を制作を思い立ったそうです。応募締切の3週間前から作り出して、ぎりぎりだったそうですが、なかなかの大作です。
受賞作品は、Maker Faire Tokyo 2018開催期間中スイッチサイエンス社のブースで展示されました。数多く来場者が訪れ、みなさん、受賞作品をそれぞれ楽しんでおられました。
ご応募くださった皆さま、またMaker Faire Tokyo 2018でご覧くださった皆さま、本当にありがとうございました! 受賞とならなかった作品の中にも、素晴らしいものがたくさんありました。本コンテストを通じて、micro:bitでこんなにさまざまな楽しいものが作れるということを、主催者側もあらためて実感することができ、それぞれの作品に熱い思いを感じました。また、次の機会にたくさんのご応募をお待ちしています!
【審査講評】
●グランプリ(1名)
「マイクロビット・メイズ(micro:bit MAZE)」作者:泉保宗也 さん
審査講評:「これで遊んでみたい!」と審査員一同が声を上げた作品です。迷路が紙でできており、色合いもよく、見た目も興味を引きました。一方で、micro:bitの傾きに応じて、迷路の傾きも細かく制御されるという技術力の高さも素晴らしいです。
●優秀賞(各部門1名、計3名)
<Kids&Family部門>
「Kaze-Con 綿毛の旅立ち」作者:こうき&ひろ さん
審査講評:ふーっ、と風車を吹くと、画面の綿毛がやさしくふわーっと飛んでいく様がとてもセンチメンタルな作品で、審査員一同、心を打たれました。工作の部分も、とても工夫のあとがみられました。
<Young Maker部門>
「目指せ安定したスイング」作者:RUKI さん
審査講評:自分自身の野球が上手くなりたいという想いをmicro:bitを使い、自らの力で解決したことが素晴らしいです。実際に、加速度センサーを使ってスイングを分析するなんて、大人顔負けの作品です。
<一般部門>
「kira:bitソード」作者:carcon999 さん
審査講評:このまま商品化してほしいくらい!男の子も女の子も喜んで振り回す姿が目に見えます。パチンコ玉を使ってぐるぐる回転させる攻撃も楽しいですね。
●特別賞(5名)
「まほうのステッキ」作者:ちいちゃん さん
審査講評:とてもシンプルな仕掛けですが、プリンセスに扮した7歳の作者がステッキを振るあどけない姿にキュンとなりました。プレゼンテーションで審査員の心を鷲づかみにした作品です。
「マンガと釣りのサイコーの日曜。」作者:さとし さん
審査講評:楽しい動画の展開に、盛り上がりました!micro:bitありきではなくて、自分の好きなことにmicro:bitを組み合わせてより便利にしよう、という発想がとてもよかったです。一生懸命作った過程も伝わってきました。
「VR釣り竿」作者:blueranger さん
審査講評:micro:bitをVRのコントローラとして使用した釣りゲームの作品。スマートフォンと身近な材料を組み合わせて実現できるので、いろいろな事例に応用できると思いました。
「うおーるぼっとG」作者:じぇーけーそふと さん
審査講評:ただ地面を走っているのかと思いきや、実は磁石を使って壁を走らせていることに驚きました。壁で車を走らせることで楽しさが広がりますね。
「自動組紐製造機」作者:MakeLuna さん
審査講評:「すごい!」の一言。micro:bitでここまで本格的な仕掛けができるのか…と感動しました。紐がだんだん組みあがっていく様は、ずっと見ていて飽きないです。日本の伝統と組み合わせているところも良かったです。