Other

2023.10.06

「雑な作品作りでも大丈夫!」という平和な心で初心者を応援する新刊『雑に作る ― 電子工作で好きなものを作る近道集』は10月24日発売! Maker Faire Tokyo 2023では会場先行発売、トークイベント、サイン会を行います!

Text by editor

本書の出版を記念して、10月14日(土)13:00 – 13:50に、「Maker Faire Tokyo 2023」のステージにて、トークセッション「『雑に作る』出版記念トーク — 「Arduinoをはじめよう」のあとに二冊目として読む本ができました」とサイン会を、著者の石川 大樹さん、ギャル電さん、藤原 麻里菜さんの参加で実施します。ぜひご来場ください!

●書籍紹介文

独学、手探りで、“雑に”電子工作を続けてきた3人の“先輩”による電子工作実践書。「完成度は低くてもまずは完成させること」を目標に、作りたいものがあるけど入門書の内容だけでは作れないという初心者や、何を作ったらよいのか思いつかない人を対象とし、最低限の技術を身につける方法、雑に使える電子部品など、限界まで敷居の低いノウハウを紹介。1つの技術で数多くの作品を作る方法、「そのうちやろう」問題への立ち向かい方など、アイデアを生み出し、そのアイデアを完成まで導くマインドセットも紹介します。「雑な作品作りでも大丈夫!」という平和な心で、電子工作、物作りの初心者を応援します。


●書籍概要

石川 大樹、ギャル電、藤原 麻里菜 著
2023年10月24日 発売予定(Maker Faire Tokyo 2023会場にて先行発売)
312ページ
ISBN978-4-8144-0049-2
定価2,640円

◎全国の有名書店、Amazon.co.jpにて予約受付中です。
◎目次などの詳細は「O’Reilly Japan – 雑に作る」をご参照ください。


はじめに

本書は、電子工作の作品を「雑」に作る方法を紹介する本だ。

なぜ、作品を雑に作る必要があるのだろうか。すべての作品は丹精込めてていねいに作られるべきではないか? いや、実はそんなことはないのだ。

まずは、7つの「雑の極意」を紹介しよう。

「雑の極意」
 一、気軽に作り始めること
 一、完成度は低くてもまずは完成させること
 一、見た目にこだわらないこと
 一、 1つの傑作より10の駄作を作ること
 一、広く深く学ぶより、いま必要なことを学ぶこと
 一、1つの技術で 10 作品作ること
 一、「雑」をよいことととらえること

人はついつい、作品を作る前に「傑作を作るぞ!」と意気込んでしまいがちだ。そして実際に作ってみると想像していたようにいかず、途中で飽きて投げ出してしまう。工作あるあるのなかでもかなり上位にランクインするあるあるだろう。

そこで「雑に作る」の精神だ。長い期間かけて立派な作品を作るのではなく、3日で雑な小品を1つ作る。気軽に始めて、飽きる前に終わらせるのだ。そうすればあなたの作品集に1つ作品が増える。そしてそんな雑な作品をどんどん作り続けるうちに、いつのまにかあなたはいろんな電子部品の使い方を覚え、複雑な機構も組めるようになり、大作を作り上げるだけの実力を手に入れていることだろう!

だから、雑に作ることは決して悪いことではない。雑は完成への道しるべであり、多作への推進力でもあるのだ。そんな「雑」な制作ノウハウを本書にはぎっしり詰め込んだ。

この本は特に初心者のみなさんに向けて、「2冊目に読む本」として最適なように作られている。入門書を読んで作例をまねした、ワークショップに参加して言われるままには作ってみた、だけどそのあとどうやったら自分の作品が作れるのかわからない…という人たちにとって、本書は大きな助けとなると思う。

さらに、自分の作品を作ってはいるけれども、なかなか数を作れない、本当はもっとたくさん作品を作りたいのに腰が重くなってしまう、というような方にもおすすめしたい。そういった人にこそ「雑」のマインドを取り入れてほしいのだ。

オリジナルの作品制作ができる本を目指したため、いわゆる入門書と比べるとそのまままねできるような具体的な配線図やプログラム例はかなり控えめになっている。そのかわりに、それをどうやって探したり、調べたり、考えたりしたらいいかをできるだけくわしく説明したつもりだ。単に作例を見てまねをするためのマニュアル本ではなく、サブタイトルにある通りにこれは「好きなものを作る」ための指南書だと考えてほしい。

まず本書の1章には、「いかに雑に電子工作をするか」のノウハウをまとめた。2章、3章では電子部品と電子工作の知識、4章では電子以外の「工作」についての知識をそれぞれ紹介したので、読んでいただくことでよりいろいろな作品が作れるようになると思う。

5章では多作のためのアイデア術やマインドセットについて、6章では作品をいかに完成させるか、そしていかに外部で発表するかに触れている。合間合間に各著者の電子工作観がわかるコラムもはさんだ。いずれも「雑」をうまく推進力として乗りこなすためのヒントになると思う。

僕はこれまで雑な電子工作をたくさん作ってきた。そして共著者のギャル電さんと藤原麻里菜さんはその同志である。しかしそのうち誰も電子工学の専門家ではないし、体系だった教育も受けていない。独学で技術 のつまみ喰いを重ねて作品を作ってきた、初心者にとっての「ちょっと先輩」の立場だ。

本書の出版のきっかけは、ギャル電さんと藤原さんが2021年に出版した電子工作入門書にある。それを読んだ僕が「雑に作ってる人が先輩として教える側に立ったんだ」と感激、ブログに書いた。そこからMaker Faire Tokyo 2022において3人が参加したパネルディスカッションが実現、今回の書籍化につながった(そのブログとパネルの内容は本書巻末に収録)。

もちろん、電子工作において「雑」が万能なわけではない。電気屋で買った家電が雑に作られてたら困るし。

それでも、あなたが自宅で作って動画をSNSにアップする、それだけのための作品が「雑」であってはいけない理由はどこにもない。

まずは「雑」から始めよう。ようこそ、雑の世界へ。

石川大樹