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2024.11.21

なぜかイベント会場でよく売れる “実物を見ると買ってしまう魔力を持った本” 10年ぶりの改訂! 新刊『「もの」はどのようにつくられているのか? 改訂版』は12月3日発売!

Text by editor

●書籍紹介文

本書は、プロダクトデザイナー、プロダクトデザインを学ぶ学生、そしてメイカーを対象に、さまざまな大量生産の方法を豊富な図解と写真で解説する書籍です。紹介する技法は、吹きガラスなどの伝統的な技術から、射出成形などの大量生産の基礎となった技術、さらにCNC切削加工やステレオリソグラフィ(光造形)などのデジタルファブリケーション技術まで約130にもわたります。各項目では、代表的なプロダクト、必要な投資、加工速度、精度、そして持続可能性などが紹介され、リファレンスのように使用することも可能です。改訂版では接合の章、最新のデジタルファブリケーションの手法の追加、解説図の追加や改良などが行われ、さらに長く愛用していただける書籍になりました。

●書籍概要

Chris Lefteri 著、田中 浩也 監訳、水原 文 訳
2024年12月3日 発売予定
ISBN978-4-8144-0096-6
定価3,960円

◎全国の有名書店、Amazon.co.jpにて予約受付中です。
◎目次などの詳細は「O’Reilly Japan – 「もの」はどのようにつくられているのか? 改訂版」をご参照ください。



「はじめに」抜粋

この本の狙いは、工業デザインの文脈からモノの隠れた側面を探ることである。工作機械の世界をのぞき見て、液体や固体、シート、粉末や金属のかたまりを3次元の製品へと変貌させるために、工作機械がどのように独創的かつ巧妙に構成されているかを見て行こう。今まで本では取り上げられなかったような方法で、これらの作品を調べてみよう。大量生産に見られる独特の面白さもわかってもらいたい。デザイナーが良い製品をつくるために、そして単なる手段ではなく創造的なプロセスの一部として製造工程を活用するために、手法について自由に発想することもお勧めしたい。

私のやりたかったことは、技術マニュアルや業界紙、そしてエンジニアリング業界の協会や団体のウェブサイトに存在するすべての情報を取り込み、モノづくりの世界への実用的な手引きとなる、デザイナーのためのガイドとしてまとめ上げることだった。それはある意味では、立体オブジェクトの大量生産やバッチ生産に関連する手法のすべてを、モノづくりの進化に関するこの重要な局面において、紹介することにもつながるだろう。今では、昔からの古いアイディアがデザイン業界によって再評価され、新たな可能性と共に生まれ変わりつつある。このことは我々が製品を作り、選び、そして消費する方法を大きく変える可能性を秘めている。かつて、デザインはモノづくりに従属する存在であったため、創造性や成形の形状や費用は制約されていた。多くの場合、いまだにこれは真実だが、次第にモノづくりは新材料や斬新なアイディアに新たな製造手法を適用し、製造ボリュームについての先入観に挑戦する、新たな機会を生み出すツールとみなされるようにもなってきている。