Electronics

2008.04.09

HOW TO – キャンディー缶消臭機の作り方

Text by kanai

1 fe_smoke2.jpg
活性炭フィルターとファンを使って、はんだゴテから出る煙や有毒なガスを除去するはんだ吸煙機です。ホビー向けの小型のものでも、買えば100ドルはしますが、これなら10ドル程度で作れます。大型のものほど効果はありませんが、何もないよりはマシです。それに持ち運びも便利。ただし、いつだって換気のいい場所で作業するのは鉄則です。
必要な材料:
(1) 7812 – 電圧レギュレータ
(1) キャンディーの缶
(1) スイッチ
(1) 40mmケースファン
(2) 9ボルト乾電池
(2) “安い” 9ボルト電池用のコネクター(Step2と3を参照)
(2) 金網
(1) 活性炭フィルター
熱収縮チューブ
リード線
ヤニ入りはんだ
ネジとワッシャ適量
ペンキ(お好みで)
必要な工具:
はんだゴテ
ドレメルとカッティングホイール
ドリルと細いドリルビット
細字のマーカー
ネジまわし
リード線用のカッター
防護メガネ
Step 1 : 回路を組む
circuit-final.jpg
先に簡単なモックアップを作るのがいいと考え、そうしてみたら、やっぱり正解だった。最初は、9ボルト電池ひとつでファンが回ると考えていたのだが、最終的には12ボルトに決めた。この場合は、それがよかったみたいだ。
最終的な回路では、簡単なスイッチと、9ボルト電池2個と、7812電圧レギュレータを使うことにした。7812電圧レギュレータは、直列にした2個の9ボルト電池の電圧18ボルトを、ファンの定格である12ボルトに下げてくれる。
Step 2 : はんだ付け
3 fe_soldering.jpg
電池のコネクターに注目してほしい。安物のビニールのやつだ。プラスティックの固いやつでは缶にうまく収まらないから注意。
2 fe_soldered_up.jpg
とっても単純な回路だから、配線図のとおりにはんだ付けするだけ。7812の配線は間違わないように気をつけてね。それから、結線部分にはかならず熱収縮チューブを使うこと。ケースが金属製だから。金属は電気を通すよ!
Step 3:すべての部品が合うか確認する
4 fe_allfits.jpg
すべてがキャンディーの缶に収まるはず。ただし、電池のコネクターはビニールの安いやつを使うこと。プラスティックのしっかりしたやつはダメだ。わずかな厚みの違いなんだけど、そのために缶に入らなくなるからね。

Step 4:空気孔を開ける(防護メガネを忘れずに!)
5 fe_cutting.jpg
ファンの空気孔の位置と大きさは、マーカーと型紙を使って缶に描き込んだ。一辺35ミリの正方形だ。スイッチ用の穴の位置も同時に描いておく。空気孔とスイッチの穴はドレメルにカッティングホイールを付けて切り抜いた(防護メガネをかけようね!)。次にスイッチの穴。さらに、スイッチ用のネジ穴を2つとレギュレータ用のネジ穴ひとつを開ける。
6 fe_allcut.jpg
空気孔がひとつ開いたら、35ミリ角の型紙を使って反対側の空気孔の位置を決める。そんなに厳格なものではないので、目測で大丈夫。多少ずれても問題ない。
Step 5:色を塗る
7 fe_painted.jpg
RuntyBoostのときは塗らなかったけど、今度はこの段階で色を塗ることにした。色はきれいな赤だ。缶の内側にホットグルーで木の棒を仮止めしてやると、塗るときに便利だ。二度塗りできれいに仕上がった。有機溶剤のペイントは毒性が高く引火性もあるから、換気には十分に気をつけてね。できれば屋外か、周囲に何もない広い場所で塗ろう。
Step 6 : レギュレータとスイッチを取り付ける
8 fe_assembly.jpg
まずは、7812レギュレータを、何枚かワッシャを噛ませて缶の内壁に触らないようにしてネジで止める。ボクは#6-32ネジとワッシャを1枚使用した。でも、穴に合えばどんなネジでも構わないと思う。このワッシャとネジは熱を逃がすヒートシンクの働きもする。そして、スイッチをネジ止めする。
Step 7:金網とフィルターを付ける
fe-sandwich.jpg
ご覧のように、金網、フィルター、ファン、金網と重ねる。金網は50ミリ角のもの。フィルタは40ミリ角のものだ。フィルターは、市販のはんだ吸煙機の交換フィルターのものを使う。これなら安価に交換もできる。次に、で、金網の四隅にホットグルーかエポキシを付けて缶に固定する。そこにファンとフィルターを挟んでやる。缶の蓋を閉じれば適当に圧力がかかって動かなくなる。
Step 8:出来映えを愛でる
11 fe_finished.jpg
10 fe_use3.jpg
以上で完成! この出来映えには大満足だ。だけど、やっぱり何か絵があったほうがいいね。いいアイデアない?
Step 9 : テスト
9 fe_smoke1.jpg
1 fe_smoke2.jpg
何時間か付けっぱなしにしてみたけど、7812レギュレータはとくに熱を持つこともなく、ファンはずっと力強く回り続けている。すごくいい感じだ。大きな吸煙機と置き換えることはできないけど、ちょっとした工作のときはこれが便利だ。はんだ付けを行う際には、くれぐれも安全第一に。たとえ吸煙機があっても、換気のいい場所で行うのは常識だ。
– Marc de Vinck
訳者から:日本でも、卓上はんだ吸煙機は、安くて1万円だね。もう少し大きな物を自作しても、1万円はしないだろう。
原文