Electronics

2009.01.09

今年は何を作る? 今何を作ってる?

Text by kanai

毎年、新年の決意をリストアップしたりするけど、Makeではそんなことしないよ。何を作るかを聞くのが今年のやり方。ボクは、Makeのメンバーと顧問の人たちに、2009年に何をMakeするかを書いて送ってくれと頼んでおいた。その一部をここに紹介しよう!
休みの間にメールの返事をくれとお願いしちゃった手前、まずはボク自身のプランを話そう。:)
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Twitterする消費電力モニター

Limor Friedとボクは、2009年初頭の完成を目指して、クールなプロジェクトに取り組んでいる。Kill-a-Wattなどの市販の消費電力モニターをXBee無線モジュールを結合させるというものだ。Kill-a-Wattにプラグを差し込むと、近くのコンピューターに消費電力の情報が送られる。するとコンピューターは、1日あたり何ワット消費しているかをTwitterのアカウントに送信する。#mywattsみたいなものを追加できるので、みんなで消費電力量を比べ合うこともできる。Arduinoを使ってイーサネットや無線LANに接続すれば、パソコンも必要ない。もちろん、オープンソースだ。誰かがこのプロジェクトを見て、商品化してくれることを期待してるんだ。

Phillip Torrone, Senior Editor, MAKE Magazine


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MRIアート

私は、自分の膝のMRI断層写真をカラフルに刺繍した小さな円盤を作って、それを縦に並べて吊して立体にしようと考えています。ちょっと解剖模型みたいで、ちょっとオリーブ入りのハムみたいになるはずです。

Becky Stern, online author, CRAFT/MAKE


Arduinoクリスマスツリー Mark II

1年前、私は最初のArduinoクリスマスツリーを作った。シンプルな自作の (8×8 LEDマトリックスで、MAX7219で駆動した。オリジナルにはArduinoクローンの Bare Bones Boardが使われていたが、壊してしまったので、Boarduinoを使うことにした(BBBは他へ移動)。前よりいいものになっただけじゃない。今回は、ちゃんと資料を作る決意をしたんだ! さらに、RTFM(説明書を読めってんだ)を拒否して苦労しながらコードを書く代わりに、Arduino用のMatrix.hライブラリを使う決断もしたんだ。LEDマトリックスを作ったときのビデオ作り方の詳細

Brian Jepson, Executive Editor for Make: Books


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パルス誘導金属探知機(廉価版)

ガールフレンドが思いっきり不景気な誕生日プレゼントが欲しいと言うので……理想的には予算0(またはお金を生むもの)……パルス誘導金属探知機を作ってやることにした。写真は、センサーコイルの上に乗っているアナログのフロントエンド。このプロジェクトの肝は、オフィスに転がってる余りの部品プラスアルファーでなんとか作ること。それでも、サンディエゴの塩っぽいビーチでちゃんとお金を発見できなければいけない。バックエンドには斬新なハイブリッド・デジタル回路を設計しようと思ってる。だけど、回路の特性や人間の心理的知覚因子について知れば知るほど、完全にアナログでやるほうが賢いと思うようになってるんだけどね。

bunnie — MAKE Magazine Technical Advisory Board


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CNC XYZガントリーロボット

今年はMaking Stationを作ろうと考えている。いろいろな切断ツールなどを装着できるCNC XYZガントリーロボットだ。これが、パーソナルな製造ワークステーションになる。この先、何年もの間、私のプロジェクトで重要な役割を果たしてくれるようになるはずだ。Lumenlab Microを作りたいんだけど、もっと自家製って感じのアプローチでいこうと思う。

Steve Lodefink, MAKE Magazine Technical Advisory Board


Azworkshop
新しい工房

私の新しい工房の外側は、多くの人たちの手によって組み上がった。そこで、2009年の私の最大の建築プロジェクトは内装だ。私は、大きな工房にしようと考えていたので、アリゾナ北部の2エーカーの土地に立つ小さな我が家の隣に、それよりちょっと大きい物を建てたのだ。ここで私は、医療機器の試作や、Make: Booksで執筆中の本のための、電子機器の実証などを行うことにしている。

Charles Platt, Section Editor, Upload, MAKE magazine


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Arduino MIDIシールド

’09年は、Arduinoの完全なMIDIシールドを作ろうと考えている。スタンドアローンのシンセサイザーとして、ボルテージコンバーターを制御するMIDIとして使える。写真は初期の試作品。ソフトとハードの両方に、まだちょっと詰めなければならない部分がある。今後も途中経過をアップするよ。

Collin Cunningham, online author, MAKE


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簡単フォンデュ・システム

私は今、高性能な簡単フォンデュシステムを作ってます。現在のところ、基本となる試作機を組み上げたところで、ティーキャンドルからの熱伝導はバッチリだけど、水切りの空気の流れがいまひとつという状態。そこで、物理学者のダンナの知恵を借りて通気問題の解決することにしました。たぶん、小さなファンを付ければ改善されるはずだけど、そうすると、家の中にある材料だけで作るという基本方針を曲げることになる。
はい、わかってます。フォンデューセットを買ってくればいいのよね。だけど、(a) それでは面白くない。(b) 原則を離れて目的が特定されている道具を買うことは”間違ってる”。
写真の右側に写っている金属のお盆を水切りの上に載せて、その上にチーズを入れたソースパンを置きます。以前は、水切りの代わりに積み木を使っていたんだけど、とっても勉強になりました。なんと! 木は燃えるんです。なので、考えを変えたわけ。
ティーキャンドルの下にあるのは、小さな磁器タイル(Home Depotのバスルームコーナーで買ったタイルに雨の日にお絵かきしたのをモッドポッジで固めたもの)です。将来、これはアルミホイルで包もうと思ってます。ロウソクを吹き消すときにロウがタイル一面に飛び散ってしまうからです。お湯につければロウは簡単に剥がせるけど、それをやると息子の涙も流れます。教訓:大切な思い出のタイルを、家の思いつきプロジェクトに安易に使わないこと。
水切りは、その安定性の高さで選んだもの。たしかに、安定してるけど、思ったほど通気性がよくなかった。ティーキャンドルを6つ使えば、お盆を安定的に十分に温めてくれる。でも、酸欠で消えちゃうのよね。

Erica Sadun, MAKE Magazine Technical Advisory Board


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BEAM 2モーター・ウォーカー

私は、BEAMロボティクスを普及させようと頑張ってきたし、このアプローチによるロボティクスの記事もたくさん書いてきたけど、実際に作ってきたBEAMbotの種類は限られていた(たとえば、swimmer、mini-ball、headbot、climberなどのタイプは作ったことがない)。私の著書Absolute Beginner’s Guide to Building Robotsに書いた1モーター式のウォーカー以外は(こいつは飛び跳ねるタイプではなく、ちゃんと歩くものだった)、スクラッチからウォーカーを作ったことすらなかった。制御回路にmaster-slave Bicore配置を使ったBEAM Bicore回路も作ったことがない。だから今年は、Dave HrynkiwのJunkbots, Bugbots & Bots on Wheelsに載っていた2モーター式のウォーカーを作る決意をした!

Gareth Branwyn, Contributing Editor, Maker Media


Joegggg
いろいろな低価格レーザーレンジファインダー

今、手に入るロボティック用のレーザーレンジファインダーは、どれも価格が非常に高い(何千ドルもします)。私は、いろいろな探知方式や技術を使って、いくつかのレーザーレンジファインダーを設計しています。光学関係のプロジェクトはこれが初めてであり、アナログの設計はずっと苦手だったから、これは私にとっていい勉強になる。最終的な目標は、ホビイストでも自分のロボットに組み込める、低価格のユニットを作ること。2008年には、いくつかの進展があった。2009年は、これを最優先プロジェクトとする計画です!

Joe Grand, MAKE Magazine Technical Advisory Board


Gitane02-002
生まれ年の自転車の改造

今年は、1972年製Gitaneロードバイクをシングルスピードに改造したいと思ってる。”フィクシーのスター”になるには年を取りすぎていることは、重々承知の上だけど、今通勤に使ってるものよりも可動部品点数が少ない必要最低限の自転車を作って乗って整備するというコンセプトがすごく好きなんだ。後輪にはフリーホイールを使う予定。もちろん、ちゃんとブレーキも付けるよ。

John Edgar Park, MAKE: author and Make: television host


Pastedgraphic
DIYエコ・サーフボード

サーフボードはDIYプロジェクトの定番だけど、正直言って、毒性物質をまき散らす。そこでGreenlight Surfboard Supplyは、ボードの素材を伝統的なポリウレタンとポリエステルとファイバーグラス(廃棄時は埋め立て)から、リサイクル可能なポリスチレンと低揮発性有機化合物と竹の繊維とラミネートに切り替えた。彼らのキットには、フォームの成型、グラッシング、さらにお洒落なラインを引くための材料と工具がすべて含まれている。

Keith Hammond, Copy Chief, MAKE and CRAFT magazines


ひみつ

お前たちの読者に我らの秘密計画を教えることなど、あり得ないだろう。

Lenore Edman, Evil Mad Scientist Laboratories, MAKE Magazine Technical Advisory Board


オープンソースハードウェア

2009年には、特許が取れるぐらいの”スゴイ物”を作りたい。でも、面倒な特許出願の手続きをするぐらいなら、プロジェクトをオープンソース化して、どうなるか見てみたい。ボクは商業哲学と、コミュニティが製品をさらに発展させていく仕組みに興味がある。オープンソースハードウェアを学ぶ最良の方法は、実際に何かを作って、それを野に放つことだ。

Marc de Vinck, online author, MAKE


Chuckkkkkkkeb
チキントラクター

私はチキントラクターを作る。基本的に金網で覆われた箱で、ニワトリは庭の草をついばんだり、土に穴を彫ったりができるが、外に出ることはできないとうものだ。車に跳ねられたり犬に食われたりしないようにね。

Mark Frauenfelder, editor-in-chief of MAKE


庭の作り替え

うちには小さな庭があるけど、日当たりが悪い(しかもナメクジ付き!)。何年か前はここで野菜を作っていたけど、成功したりしなかったり。そこで今年は、地元の設備や素材を使ったインフラを整備して、オーガニックで環境にやさしい形で庭の生産性を高めることにしました。

Patti Schiendelman, online author CRAFT/MAKE, Make:Books indexer/editor


The ChugMast’R

傾きセンサーが付いたマグカップ。カップを傾けて中身を空けていくと、だんだん明るく光るようになり、完全に空になるとクレイジーになる。子供にミルクを飲ませたいときに最適。学生の社交クラブでもウケるかも。

Paul Spinrad, Projects Editor, MAKE


Ssssssssmosaic
モザイクテーブルトップ

ゴミ捨て場で直径3フィートの鉄製のテーブルの台を拾ってきた。Bruceが建築用の防水の頑丈な板を買ってきて、私は箱一杯の割れたお皿やタイルの破片を板の上に丸く並べていった。アートスタジオを経営している友人が破片の接着を手伝ってくれて、最後に漆喰で仕上げた。もちろん、何度も読んで参考にしたのは、CRAFT Volume 09の記事です!

Shawn Connally, Managing Editor, CRAFT
– Phillip Torrone
原文