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2018.08.05

Maker Faire Tokyo 2018レポート #4|木と鉄で作る原付3輪自動車、ソルダリング・シンセサイザー、黒ひげ危機一発VRなど、見逃せない19のプロジェクトを紹介!

Text by Yusuke Aoyama

今年もMaker Faire Tokyo 2018の夏がやってきました。今年も世界中から集まってきたMakerが、自慢の作品を持ち寄ってお祭り騒ぎを楽しんでいる。さっそく会場で目に止まった作品を紹介したい。

木と鉄で作る原付3輪自動車

りひと工業自動車部が制作した、木と鉄製のオリジナルフレームに50ccのエンジンとホンダ カブの部品を組み合わせて作った自作原付3輪自動車。材料のほとんどはホームセンターで変えるものばかり。ナンバーも取得しており、実際に日々の通勤に使用しているとのこと。元々の目的は「雨の日も濡れない原付」のため、これから全体をカウルで覆った2号機の製作に入るとのこと。(E-02-03

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TRANSBALL

DISCO TECHでは、誕生から約1世紀にわたり変化のなかったミラーボールを最新技術で進化させた。遠隔操作によって、内部が開いて発光や点滅するというもの。また、同ブースでは、マイクロソフトのHololensを通して見ると、CGによる演出が楽しめるライブの事例紹介も行っている。(I-02-02

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4脚ロボット

4脚で歩くだけでなく、足先のモーターで走行もできるロボット。サーボ内蔵のセンサ、Ⅸ軸の加速度センサのほか、走行モーターの回転数を取るエンコーダなど、小さな筐体に各種サンセーが詰め込まれている。同ブースの出展者は、どんなチープなものでもゴージャスに登場させる箱「デルモンテ」で話題になった。今年はより発展させた「デルモンテPRO」を出展する予定だったが間に合わなかったとのこと。(H-13-05

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琵琶湖カレー

出展者は琵琶湖の近くにある成安造形大学に所属。その琵琶湖をモチーフにしたモノポリータイプの双六「琵琶湖一周チャリ栗毛」や「琵琶湖カレー」を出展。琵琶湖一周チャリ栗毛は、ワークショップを開き学生や子ども達と一緒に遊び方を考案したもの。琵琶湖カレーは、湖水を表現するあおいカレーのレシピ、カレーを流し込む琵琶湖の型を作るための3Dプリンタ用データをWebで公開している。(A-11-09

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e-テキスタイル電子工作「ウロボロス」

ミシンでおなじみブラザー工業のMakersグループ「d-faB project」は、導電糸を使ってミシンで「目が光るヘビ」(ウロボロス:ギリシャ神話に登場するヘビ)を作るワークショップを実施。また、同ブースには導電糸を使ったさまざまなテキスタイルのサンプルも展示。導電糸の使い方についてのアドバイスも受けられる。(A-06-04

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FLO

Aiphonyのブースではミストと光を組み合わせて、不思議な体験ができる「FLO」を展示。ミストとシャボン玉が生み出す空気の流れに光が映し出されるさまはとても幻想的。(H-18-01

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Q

ものづくりユニット「WOSK」が出展したのは、「Q」という新しい音の楽しみ方を考えるデバイス。円筒形の積み木のような物体のなかに加速度センサとワイヤレス通信モジュールを内蔵し、叩いたり振ったり転がしたりすることによって、接続したスマホを経由して音をならすことができる。向きも検知できるので、上向きと下向きで音色を変えたり、叩く面によって違う動物の鳴き声を出したりと言ったことも。もちろん、アプリ次第で動作はいろいろと変えることもでき、触っているだけでいろいろと遊び方のアイデアが浮かんでくるアイテム。(I-04-02

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等身大3D LED Cube

RGB各色4,096個、合計12,288個のLEDを人の身長ほどの立方体内に配列した「等身大3D LED Cube」。さまざまな操作方法が提供されており、色や動きが変化しながら発光する様子は、ダイナミックでじっくり眺めてしまう。(H-17-01

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浮上式リニアモーターカー

オリジナルの小型リニアモーターカー。車両に内蔵した永久磁石と、コースの左右の壁に電磁石で走行。走路の底面に内蔵した光センサーで車両の位置を計測して、Arduinoによって制御している。(H-16-08

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缶たたき機 mini

MIDIで制御するソレノイドで缶詰の缶などをたたいて音を出す楽器。叩いているのは、空き缶やマグカップなどどこにでもあるものだけど、リズムを刻むことでチンドン屋のような楽しげな雰囲気。ネットワーク経由でMIDIを制御するOpen Sound Control(OSC)にも対応しており、スマホなどからリズムやテンポを操作できる。((H-12-08))

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アイガモロボット

田んぼでアイガモを放し飼いにして雑草取りの手間をなくす「アイガモ農法」は、アイガモの世話や外敵対策等によって手間がかかる。そこでi-GAMプロジェクトはロボット化により手間を減らすことを目指している。今年完成した最新の12号機は、概観はアイガモとは似ても似つかないが、実際の稲田で実証を行っており、それによって次世代機のブラッシュアップする予定。(D-01-10

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ソルダリング・シンセサイザー

某楽器メーカーの社員によるメイカーサークル「R-MONO Lab」のブースでは、半田付けをしないとリズムやパターン、音色を替えることができない「火傷するほど熱いシンセ」を展示。演奏するには、半田ごてでパターンを繋げたり、半田を取り除いたりする必要がある。残念ながら、ブースでは半田ごてが使用不可のため、デモは一定のリズムを演奏する状態のみ。他にもRaspberry Piを使ったシンセの最新型や段ボール電子カホン、ほうきギターといった個性的な電子楽器を多数展示している。(H-07-06

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sketch.2017;

「sketch.2017;」は、4つのLED、ブザー、プッシュボタン、可変抵抗を組み合わせた、Arduino用のシールド(追加基板)。入力と出力をできるだけ小さくすることで、フィジカルコンピューティングのプログラムの学習ハードルを下げることを狙ったアイテム。表面がホワイトボード上になっているので、イラストや文字を書き込んで「子どもがお絵かきする」ことの延長で遊ぶことができる。(H-11-06

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SPINPOV

ハンドスピナーに、フルカラーlEDとセンサ等を搭載した基板を貼り付ける事で、回転しながら動画を表示できるアイテム。手の平サイズの大きさに、明るい映像が浮き上がって見えるのが楽しげ。(H-06-05

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走る1/1 Ⅳ戦車

鉄と木のハイブリッドで作った、全長7mで重力約2tの「走る1/1 Ⅳ号戦車」。昨年はキャタピラのみの出展だったが、今年は未完成ながらも車両丸ごと展示しており、会場のなかでもひときわ目立つ。ちなみに、輸送時には左右がスライドすることで、横幅を2mまで縮められるので、積載車に搭載して運ぶことができる。(E-01-01

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dannna dash & 撮るだけユーチューバー

大手企業のメイカーが集まったサークル「つくるラボ」は、話題になったAIで自動的に動画を編集してくれるアプリ「撮るだけユーチューバー」や、奥さんがボタンひとつで旦那に買い物を頼める「dannna dash」などを展示。ブースでは射出成形のデモもやっており、お土産にキーホルダーも配布。

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また、つくるラボのブースには「Ginger desing studio」が間借りしており、オリジナルのArduino互換基板「GINGER BREAD」を展示中。来場者には限定数で無料配布している。(H01-01

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飛ばTHETA

企業内ファブスペースのはしり「とにかく! つくる〜む! プロジェクト!」では、リコーの360度カメラTHETA用ドローン「飛ばTHETA」を展示。二重反転モーターを使用して、縦型にすることで、360度映像内へのドローンの映り込むを最小限にできる。飛行試験はこれからのため、実際の飛行性能は未知数。(H-07-07

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2×2パタパタアニメーション

パタパタ時計のように上下に分割したパネルを回転させることで、アニメーションを表示させるデモンストレーション。出展者は広告関係の会社のメンバーで、このデモも実際に企業のイベント等で48モジュールによる大型展示を行った実績があるそうだ。(H-09-08

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黒ひげ危機一発VR

自動車部品メーカーの有志によるサークル「D’s Maker College」では、数多くの制作物を展示。VRヘッドセットの映像と連動して、10cmほど椅子が浮き上がる「黒ひげ危機一発VR」は、子どもから大人まで人気を集めていた。名前通り、ナイフを差し込むとランダムに反応して、椅子の座面が素早く20cmほど浮き上がるというもので、VRヘッドセットをかぶり椅子に座っている体験者は「爆弾が爆発して空高く打ち上げられる」という疑似体験が得られる。(H-07-01

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同じくD’s Maker Collegeは、映像から認識した人の顔から、似顔絵のゴムハンコを作る「Olle !! no HANKO」というデモを展示。顔認識による自動似顔絵生成ソフトに小型レーザー加工機まで、すべてがオリジナルという力作。その場で実際に自分の似顔絵ハンコを作ってもらえるため、子どもから大人まで注目を集めていた。

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