2018.08.04
Maker Faire Tokyo 2018レポート #3|チェコ生まれの “自己増殖する3Dプリンター” Original Prusa i3 MK3が日本で販売開始
PRUSA RESEARCHはチェコの3Dプリンターメーカーである。自社開発の3Dプリンター「Original Prusa i3 MK3」を来週からAmazon.co.jpで販売するプロモーションを行っている。価格は自作のキットが99,800円、組み立て済みの本体は149,800円である。
Prusa i3は個人向けの機種で一般的なFDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンターで、フィラメントと呼ばれるひも状のプラスチックを溶かしながら一筆書きの要領で積み上げていく。
通常のノズルが0.4ミリ径のところ、0.25ミリ径のノズルを使い高精細な出力を行った作例
Prusa i3の特徴は、本体を構成するパーツの多くを自分自身で出力していることだ。いわば自己増殖する3Dプリンターであり、これはRepRapというオープンソース3Dプリンターのコンセプトに従っている。Prusa i3もまた、ハードウェア構成やパーツの3Dデータがすべて公開されているオープンソースハードウェアである。
PRUSA RESEARCHは月産6,000台という生産数をこなすために、300台ものPrusa i3を並べた工場を稼働させているという。
同じパーツをこれほど大量に出力するのであれば、金型を起こしたほうが低コスト化できるのではないか。疑問をぶつけてみると理由が分かった。
まず、Prusa i3のパーツは細かな改良が続けられている。設計変更をすぐに反映させるために金型を使わず、Prusa i3で出力しているという。
もう一つ、Prusa i3を大量に、そして継続的に稼働させることは本体の耐久テストにもなっているという。不具合が出れば改良し、すぐに製品に反映される。
開発者のJosef Průša氏みずから会場を訪れてPrusa i3をアピール
会場では、フィラメントを5種類まで切り替えながら1つのノズルで出力できるようになるキット(44,800円)のデモンストレーションも行われていた。
マルチマテリアル出力が可能になる追加キットのデモンストレーション
マルチマテリアル出力を実現するにあたって、複数のノズルを備えて多色出力する方式もあるが、ノズルの高さを正確に揃える必要がある。一方、1ノズルの多色出力ではフィラメントを切り替える際に前後2種類のフィラメントがしばらく混在して出力されるので、その間はノズルを退避させるしくみだ。