レゴ エデュケーションは小学生向けブロック教材「WeDo 2.0」を2016年4月1日より発売する。小学校の理科の授業に合わせたカリキュラム構成で、レゴブロックでロボットを組み立て、動かしながら、モノづくりとプログラミング、身近な理科を楽しく学べる教材だ。今回は販売代理店の株式会社アフレルから機材貸出の協力を得て、レビューを行った。
「WeDo 2.0」では、前バージョン「WeDo」のモノづくりとプログラミングを楽しみながら学ぶという要素に加え、小学校の理科の授業との親和性を強化。さらに、ノートツールや画像・動画のキャプチャ機能が追加され、学習した内容の記録やまとめの発表資料が作れる。対応デバイスは、Mac/Windows、iPadやAndroid、Windowsタブレットでも動作可能で、教育現場により導入しやすくなった。
製品は、基本セット(24,000円[税抜])とカリキュラムパック(38,200円[税抜]、基本セットの購入者を対象に2016年6月30日まで無償提供)の2種類がある。パーツの内容は共通で、ソフトウェアが異なる。カリキュラムパックには完全版ソフトウェアが含まれ、16のプロジェクトと40時間以上の授業で使用できる教師用のガイドなどのツールが収録されている。
浅型のプラスチックケースは上下2段で、上段の小分けトレイはブロック、下段はスマートハブやセンサーなどが収められている。小分けトレイには、ブロックの絵のシールが張られており、パーツ探しや片付けがしやすい。カードの裏面にも収録パーツの一覧があるので、しまい忘れたパーツがないか確認できるのがありがたい。
WeDo 2.0基本セットとカリキュラムパックの部品は共通。ブロックは280ピース
表面のカードの裏面に収録部品の一覧がある
探しやすく片付けやすいシール付きの小分けトレイ
スマートハブ、パワーモーター、モーションセンサー、チルトセンサーが付属する
16種類のプロジェクトで理科を体験
WeDo 2.0のプロジェクトは16種類で、プロジェクトの入門、基礎プロジェクト、応用プロジェクトに分かれている。プロジェクトの入門では、教材を使うための準備として、モデルの組み立てとプログラミングの方法の基本を学ぶ。
基礎プロジェクトからは、理科の授業に合わせて、生物、物理、地学、工学といった身近な科学技術をテーマに、モデルを動かしながら調査し、考察していく。
カリキュラムパックの完全版ソフトウェアには16種類のプロジェクトを収録。プロジェクトの入門、基礎プロジェクト、応用プロジェクトを順に進めていく
各プロジェクトは、“調べる”、“組み立てる”、“発表する”の3段階。レゴのミニフィグキャラクター、マックスとミアが案内役となり、彼らの疑問を解決するために調査を手伝うというシナリオが用意されている。言葉での説明は最小限で、動画とイラストでプロジェクトの目的や組み立て手順を解説するのはユニーク。画像からやることを推測し、手を動かしていくうちに、少しずつ形ができていくのは楽しいし、観察力や思考力が鍛えられそうだ。
プログラミングは、ブロックのドラッグ&ドロップ方式。センサーからの情報入力、モーターの出力や回転方向、サウンドの再生、繰り返し処理などのプログラミングブロックを組み合わせて自由にプログラム可能。さらに、Scratchとの連動も可能になる(16年夏ごろリリース予定)。
マックスとミアが案内役。Bluetoothのペアリング方法もレゴのアニメーションで説明するという徹底ぶり
プログラミングは見本が表示されるので、画面どおりにブロックを並べればオーケー
充実の教職者向けガイド
子どもたちにとっては遊びながら、体験的に科学への興味や理解を深められる魅力的な教材だが、難しいのが授業への導入や評価方法だ。教材を与えただけでは、子どもたちはレゴの組み立てやプログラミングで遊び続けて収拾がつかなくなるし、レゴを持っている子どもと、そうでない子ども、細かい作業の苦手な子どもなど、個人差も大きいだろう。学習内容の幅の広さや自由度の高さゆえに、評価も難しい。
そこで役立つのが、カリキュラムパックに収録の教職者向けPDFガイドだ。217ページ超のボリュームで、学習目標や授業の進め方、評価方法などがていねいに解説されている。評価項目のチェックシートや学習者向けの自己評価シートなども含まれ、理科が専門でない教員も、無理なく授業へ組み込むことができそうだ。
各プロジェクトの授業での時間配分や学習内容を解説した教師用ガイド
評価項目の表、学習者用自己評価シートなども含まれている
体験編では、小学3年生が使ってみた様子をレポートする。